銀や銅で作られた 小さなノリゲ
美しい人からの贈り物だから
さらに美しい 光化門の外 石橋の西
鄭雪艶の家で泥のように酔ったとき
そっと解いて
この手にノリゲをすべらせてくれたね
僕はいったい何を贈ろう
この金の小刀を贈ろう 今では
雪艶に会うこともできず
ノリゲだけを見つめ
日がな一日なでてみる
涙があふれる もし今
ノリゲさえも失ってしまうなら
僕の頬に
涙はただ流れるばかり (キム・リョ 1766〜1822)
李朝後期の学者。この詩は、妓生鄭雪艶(チョン・ソルヨム)が愛の証に情表(チョンピョ)としてくれたノリゲを手に、彼女を忘れられない金鑪自身の想いを吐露した作品。「従来の漢詩ではタブー視されていた、男女間の愛情を果敢に表現。権威や虚飾に塗り固められた、観念的な虚偽意識から解放された詩」と評される。(朴c愛、朝鮮大学校非常勤講師) [朝鮮新報
2004.9.21]
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