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書を読む女

 髪を整え紅を差した
 とびきりの美女だ
 終日目を凝らして
 何を読むのか
 侍女たちは顔を見合わせ
 言葉もない
 机に置いた瓊eでも
 頂きたいものだが
 とりつくしまもない

 チョン・ドジョン(?〜1398)

 原題は「莱州城南驛屏有婦人琴碁書畫四圖戯題其上」(莱州城の南にある驛の屏風に婦人が琴を弾き、碁を打ち、書をしたため、画を描いている画があるので、その上に戯れに題する)。驛とは官吏のための旅館のようなもの。この詩は、実は画に描かれた美女のことを詠っている。公務の途中、泊まった驛の部屋に、美人画が飾られてあった。なぜか心惹かれ、四編の詩を戯れにしたためた。そのうちの一編。なぜ心惹かれたのか? 初恋の人に似ていたのだろうか? それとも、理想の女性像だったのだろうか? 鄭道傳は、朝鮮王朝建国に貢献した人物。軍事、外交、著述にも長け、多方面で活躍した。そんな彼も、「屏風の女」に心惹かれる一瞬があったのだ。瓊琚(キョンゴ)とは、腰に飾る玉のアクセサリー。「ノリゲ」ともいう。(朴c愛、朝鮮大学校非常勤講師)

[朝鮮新報 2004.8.4]