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手紙

 突然の
 あなたからの手紙に
 驚きで目が覚めたわ
 絹に書かれた文字が
 涙でにじむ
 そうなのね
 月の明るい
 人のいない夜ごと
 ひっそりと
 わたしを想って
 くださったのね

 (オンジョン)

 生年没日不詳。

 今はメール全盛の時代であるが、愛の手紙に勝ることはないだろう。一文字一文字想いを込めて書く手紙こそが、相手の心に届く。温亭という妓生も、慮外の手紙に嬉しさのあまり涙を流す。「解語花」(ヘオファ)―言葉を解する花と呼ばれた妓生たちは、「手折られ、枯れると捨て去られる花」だった。そんな境涯が妓生の運命であることが多かったので、この詩は手放しの喜びというよりも、切ない涙にぬれた喜びと言える。

 手紙のことを「絹に書かれた文字」と訳したが、原文は「錦牒」(クムチョプ)。「絹に書いた手紙、恋情をしたためた手紙」という意味がある。(朴c愛、朝鮮大学校非常勤講師)

[朝鮮新報 2004.7.28]