あなたのお顔は月ではないけれど
山越え川越えわたしの心を照らします わたしの腕はどうしてこうも短くて
目の前のあなたの胸を触れないのでしょう あなたが来るに来られないわけなどなく
わたしが行くに行けないわけもないけれど
山には梯子がなく
川には舟がないのです だれが梯子を外し舟を壊したのでしょう
わたしが宝石で梯子をかけ
真珠で舟を造りましょう
来ようにも道をふさがれ来られない
あなたが恋しい 詩集「ニムの沈黙」(1926)に収録
韓龍雲(ハン・リョンウン、1879―1944) 1920年代のわが国の詩歌文学を代表する詩人のひとりとして現代自由詩の形成と発展に大きく寄与したとされる。(選訳・康明淑) [朝鮮新報
2004.2.4]
|