朝鮮の心を何処で探そう 朝鮮の心を何処で探そう 洞窟の中を覗いてみようか 海の底を掘ってみようか 生い茂った柳の木々をかき分けてみようか 遥か空のかなたでも見てみようか ああ、朝鮮の心を何処で探そう 朝鮮の心は志向できない心、哀しい心!
「朝鮮の心」に収録(1924.8)
卞榮魯(ピョン・ヨンロ、1897―1961) 「論介」などわが国の愛国烈士たちを好んでうたった詩人の詩作傾向は、当局の検閲に度々引っかかった。この詩が巻頭詩となる詩集「朝鮮の心」は販売禁止の事態を招いた。繰り返される哀しい問いは、奪うことのできない「朝鮮の心」というものを浮き彫りにしている。(選訳・康明淑)
[朝鮮新報 2004.1.14]