長い首ゆえに 悲しき生き物よ いつもつつましやかで言葉少なく 冠かぐわしいおまえ それは高貴な身であったのだろう
水にうつるわが姿のぞき見て 失われた伝説 思い起こしては 抑えきれない郷愁に 悲しき首をもたげ 遠き山仰ぎ見る
「珊瑚林」に収録(1938)
盧天命(ロ・チョンミョン、1912―1957) 鹿といえば盧天命、盧天命といえば鹿を連想するほど、この詩は詩人の代表作。暗く不運な時代においても彼女の詩は、「星空」や「遠き山」をつねに仰ぎ見ている。(選訳、康明淑)
[朝鮮新報 2004.1.7]