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北側出身旧日本海軍軍属の犠牲者遺骨 祐天寺になく、靖国神社に合

 旧厚生省が1971年、祐天寺(東京都目黒区)に委託し安置されているとされていた、朝鮮出身旧日本海軍軍属の遺骨が実はなかったことが明らかになった。さらに、その犠牲者を靖国神社に合祀していた事実も判明した。

 これは、旧日本海軍が作成したとされる資料「旧日本軍在籍朝鮮出身死亡者連名簿」によって明らかになったもので、朝鮮在住の遺族の委任を受けた朝鮮人強制連行真相調査団の求めに対して、それを保管していた厚生労働省が提出した。

厚労省保管資料から

 調査団が受け取った平壌北道出身の故金龍均さんに関する資料には、「遺骨」欄に「無」と記載され、59年10月17日に靖国神社に合祀されたことを示す印が押されていた。

 資料では、金さんは42年に旧日本海軍の軍属として強制連行され、43年9月19日、「工員」としてギルバート諸島(キリバス共和国)のタラワ島で「施設工事」中に「戦死」したとされている。

 祐天寺の遺骨名簿から金さんの名前をみつけた調査団は、朝鮮の関係機関がみつけだした遺族を追悼会(11日、祐天寺)とシンポジウム(12日、日本教育会館)に招待したが、日本政府の妨害で入国できなかった。

 遺族の委託を受けた調査団のメンバーが追悼会で遺骨を確認したところ、遺骨箱には「石ころなのか紙くずなのか」わからないようなものだけが入っていた。厚労省職員が遺骨の確認を制止しようとする一幕もあった。

 関係者によると、「厚労省は遺骨がないことを知りながらもそれを隠し続けてきた。その事実が立証された」。

収集、返還など要求

 17日の記者会見(衆議院議員会館)で事実を公表した調査団は、植民地支配と強制連行の産物である遺骨問題は、日本政府が過去の清算の一環として解決すべき問題と指摘。60年以上も放置した日本政府に対して名簿の公開、遺骨の収集と迅速な返還を求めた。

 事実を聞いた遺族は、悪名高い戦犯者とともに合祀されていることに怒りを表し、謝罪と補償、遺骨の収集、返還を日本政府に求めた。

[朝鮮新報 2004.12.21]