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人権協会など4団体が共催 実践交流セミナー、正当な民族教育権の主張

 「扉は今、開きはじめた―朝鮮学校生の資格取得問題を考える」と題した民族教育権利保障のための実践交流セミナーが11日、中野サンプラザで催され、約180人が参加した。主催は在日本朝鮮人人権協会、青年商工会、東京民族教育対策委員会、朝鮮大学校で、同会員、都内や朝大の教職員・学生、学父母たちが熱心に論議に聞き入った。セミナーでは、主催団体の担当者らによる共同研究・関係当局との交渉等をふまえ、「民族教育の権利主張には確固たる真理性、正当性がある」「この場を教育権の全面実現に向けた決起の場にしよう」との発言が相次いだ。

資格取得問題中心に活発な論議

朝大生、学父母ら約180人が参加したセミナー

 「民族教育の権利が基本的人権であり、差別なく保障されるべき普遍的権利であることは指摘するまでもない。朝鮮人学生、児童たちを、民族的アイデンティティーを持った立派な朝鮮人として育てることは何人も侵すことができない権利である」

 主催者側を代表して開会のあいさつをした洪正秀弁護士(人権協会副会長、同国家資格問題解決のための特別チーム責任者)は、こう強調した。

 つづいて、金舜植弁護士が「枝川・朝鮮学校明け渡し裁判、助成金、国立大学入学資格、そして資格取得問題…民族教育の権利の現状と課題について」基調報告。民族教育権を守り拡大するための全般的な運動状況に言及し、「民族教育の権利主張には確固たる真理性、正当性がある」と熱っぽく語った。

 また、朝大政経学部副学部長の朴三石教授が「朝大に対する処遇改善の経緯と今後の課題」を報告。学生たちの機会均等、実現のためいっそう奮闘しようと、訴えた。

 セミナーでは国家資格問題で、関係当局に要請を行ってきた各グループ代表の洪正秀弁護士(内閣府)、東京人権協会会長の河正潤司法書士(都庁)、金哲敏弁護士(厚生労働省)が報告した。

 さらにロースクール、公認会計士2次試験に合格した朝大卒業生たちと、税理士、社会保険労務士を志望する朝大生らが発言。同胞のために真に奉仕する有資格者になって奮闘したいと決意を語った。

新たな扉こじ開けるための出発点に

 参加者による意見交換では、助成金と朝鮮学校周辺の交通安全措置問題など民族教育におけるあらゆる権利を守り拡大するため、一層団結して闘っていこうとの発言があった。

 東京朝鮮第2初級学校の土地問題の裁判をサポートしてきた出版社の「樹花舎」・花村健一代表と、朝鮮学校に対する助成金問題を支援してきた国立市・上村和子議員が連帯のあいさつ。「日本が過去の清算・戦後補償を怠ってきたことと、民族教育を差別していることは一つにつながっている」「これからもともに連帯し、打ち勝っていこう」と激励した。

 結びの発言をした青商会中央・殷鍾仁幹事長は「今日のセミナーを、新たな扉をこじ開けるための出発点にし、この場を民族教育権の全面実現に向けた決起の場にしよう」と訴えた。

 会場ではドキュメンタリー「朝鮮の子」が上演され、参加者らはウリハッキョの歴史に熱い想いを寄せていた。

[朝鮮新報 2004.12.18]