top_rogo.gif (16396 bytes)

熱海で朝鮮統一支持運動全国集会、「年内に国交正常化協議を」

 朝鮮統一支持運動第22回全国集会(主催=同実行委員会、協力=日朝友好静岡県民会議、全国都道府県朝鮮統一支持日朝友好団体)が11月27、28の両日、静岡県熱海市で行われた。5月の第2回朝・日首脳会談後も、依然として拉致問題と関連させたマスメディアによる反朝鮮報道が続くなど状況は厳しいものの、参加者らは「逆風に立ち向かって運動を盛り上げていこう」との決意を新たにした。

節目を前に準備を

基調報告に聞き入る各地からの参加者ら

 初日に行われた全体集会であいさつした朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会(日本委員会)の槙枝元文議長は、2年前の平壌宣言で日朝両国首脳が互いに過去に犯した犯罪行為を認め合って謝罪し、速やかに国交正常化交渉を軌道に乗せ、あらゆる問題を友好的に解決していくことで合意したにもかかわらず、事態はまったく進展していないと指摘。

 日本と朝鮮は、かつて日帝時代の植民地政策による支配者と被支配者の関係にあったことから、両国間の友好と親善、国交正常化を推し進めるためにはこの歴史的事実を忘却することなく、常に慎重な配慮と対応を心がけていかなければならないと強調した。

 つづいて来賓のあいさつをした総連中央の南昇祐副議長は、厳しい情勢の中でも朝・日友好運動が活発に展開されていることは在日同胞にとっても大きな力になっていると述べながら、今後も手を携えて新たな時代を切り開いていこうと訴えた。

活発な意見交換がなされた分科会

 あいさつに続き、全国集会の基調報告を清水潤日本委員会事務局長が行った。

 基調報告は、朝鮮半島情勢が現在、停滞局面に陥っているとしながらも、10、20年前を思い起こせば朝鮮半島と日本を取り巻く時代の流れは、南北統一へ、そして日朝国交正常化へと確実に歩を進めていることは明らかだと指摘した。

 また朝米、北南、日朝関係の現状について触れながら、来年05年は日本の敗戦60年、朝鮮の分断60年という節目の年であるとともに、日本が朝鮮植民地支配を実質的に完成させた1905年の「乙巳保護条約」から100年、日韓条約から40年の年でもあると指摘。この節目の年に北南統一と朝・日国交正常化を実現するために今から準備を始めていこうと指摘した。

 そして、日朝国交正常化こそが日本と朝鮮半島の平和実現に不可欠であり、東アジアの平和構築にとっても重要であると訴え、より広範でより強固な日朝友好運動を作り出していかなければならないと強調した。

 一方、全体集会では前田康博・大妻女子大学教授による記念講演も行われた。

 同日夕には、懇親会が開かれ、各地から集まった参加者たちが交流を深めた。

各地での経験交わす

 2日目は@朝鮮事情、A日朝友好運動、B民族教育の3つに分かれて分科会が行われた。

 第1分科会では、朝鮮半島核問題と日朝国交正常化交渉再開の可能性について、 第2分科会では、地域の特性に合ったさまざまな友好運動の経験について、第3分科会では、朝鮮学校生徒が置かれている被差別状況についてそれぞれ話し合われた。

 分科会に続いて行われた全体集会では、各分科会からの報告に続き、来年中の日朝国交正常化実現に向けて、日本政府が年内にも実務者協議を開催するよう働きかけを強めていくことなどをうたったアピールが採択された。(李松鶴記者)

[朝鮮新報 2004.11.30]