第6回日朝教育シンポ決議 民族教育権差別解消、日朝国交早期実現を |
民族教育権差別の完全解消と日朝国交正常化の早期実現をテーマに10月23日に東京で行われた第6回日朝教育シンポジウムで採択された決議は次のとおり。 私たちは本日、日本教職員組合、在日本朝鮮人教職員同盟、日本朝鮮学術教育交流協会の共催による「第6回日本・朝鮮教育シンポジウム」を開催した。シンポジウムでは日朝間の教育の交流活動や地域交流、日朝友好親善活動に日頃から取り組んできた全国各地の多くの仲間たちが集い、意義深い交流をした。 集会では基調報告、特別報告、自由討論が行われた。 今次集会では、東京都江東区枝川の東京朝鮮第2初級学校の取り壊し裁判に関する報告と討論が行われた。石原都政がこの裁判を起こしたことは、在日朝鮮人の民族教育をめぐる歴史的経緯を無視し、憲法と国際人権規約にも違反する恥ずべき暴挙であり、集会参加者は一致して、この不当な攻撃をただちに撤回することを求めた。さらに、文部科学省による朝鮮学校卒業生の国立大学入学資格問題に関わる「緩和」措置は、朝鮮学校に対する差別扱いをいっそう強化したものであることを明らかにした。 周知のように、国連は、「子どもの権利条約審議委員会」等が4回にわたって、「コリアンを含むマイノリティーの子どもの差別的な取扱い」を解消することを日本政府に求めてきた。また、「国連規約人権委員会」は、言語的マイノリティーに属する生徒が相当数就学している公立学校の正規のカリキュラムに母語による教育を導入すること、朝鮮学校を正式に認可し、補助金その他の財政援助を得られるようにすること、朝鮮学校の卒業資格を大学受験試験の受験資格として承認することを勧告し、日本政府に対して、民族教育権差別の解消を強く求めている。 シンポジウムでは以上のような点を確認しながら、私たちが解決をめざすべき課題を次のように明らかにした。 1、学校交流、地域交流の輪を広め、日朝友好親善のきずなをより一層強めること。 2、人権保障の見地からも、また日本の真の国際化のためにも、民族教育の権利が尊重され、朝鮮学校に対する処遇が「一条校」に準じてなされるべきこと。とくに、東京朝鮮第2初級学校取り壊し裁判を撤回すること。 3、政府の責任で私立学校なみの教育助成金を措置し、日本の国立大学の受験について、民族差別を完全に解消すること。 4、スポーツや文化分野における差別を完全に解消すること。 5、文部省(文科省)の民族教育差別の諸通達を速やかに撤回すること。 これらの課題の取り組みにあたって、私たちは、日本における民族差別政策の解消とともに、一日も早い日朝国交正常化の実現を強く求める。 [朝鮮新報 2004.11.6] |