南と沖縄のカメラマン、ニューヨークで写真展、「米軍による圧制の現場見せたい」 |
米軍基地と米軍による民衆の被害を撮り続けている韓国と沖縄の写真家6人が、今月17日〜12月13日まで米国のニューヨークにある世界的に名高いPSI(パブリックスクールナンバーワン)での写真展とコロンビア大学でのシンポジウム開催を予定している。 ニューヨーク展に出品する写真家たちは南の安海龍、盧純鐸、李勇男、リ・セガブ、沖縄の石川真生、比嘉豊光の6氏。昨年、ソウル、東京、大阪、沖縄で写真家たち10人による写真展 「記録と記憶のトライアングル〜韓国、在日、沖縄を撮る10人の眼〜」を開催して、米軍の戦争犯罪を世界に告発したばかり。 南朝鮮には現在8025万坪の土地に96カ所の米軍基地が存在し、約3万7000人の米軍兵力が存在する。そのため、米軍による凶悪な犯罪は後を絶たず、米軍の占領(45年9月以降)から現在まで犯罪件数は10万件を超えると推定されている。その犯罪は昨年6月の米装甲車による女子中学生轢殺事件のような殺人、強かん、強盗、密輸、麻薬、放火などの重大な犯罪から、基地の環境汚染、PX不法流出を通した巨大な闇市場の形成など、広範囲な形態に及ぶ。
だが、67年締結の「韓米行政協定」(SOFA)によって、南当局には米軍犯罪に対する拘束捜査、裁判権もなく、犯罪が事実上野放し状態になっている。 また、沖縄の基地もほぼ同様な問題を抱えており、さまざまな米軍の犯罪と人権侵害に沖縄県民は米軍の削減と撤退を要求し続けてきた。 今回のニューヨーク展は、朝鮮半島と沖縄の基地の抱える問題を浮き彫りにしながら、米国の人々に米軍と米軍基地が平和のためではなく、暴力や差別を助長し、市民に敵対する組織された侵略集団であるという真の姿を見せる強いメッセージを発信するにことになろう。 ニューヨーク展に向けて準備を急ぐ安海龍さんは次のように指摘する。 「米軍は本当に朝鮮半島の平和を望んでいるのか?悲しいことに私はこの問いに肯定的に『そうだ』と答えることはできない。現在の朝鮮半島の緊迫状況は、極度に硬直したアメリカの傲慢な態度に一因があるからだ」 安さんがとりわけ強く憤るのは、「封鎖と孤立」という極端な要求によって「北朝鮮の武装解除を迫る米国の強圧的な姿」に対してである。「自分たちの意志が通らなければ周辺国や国際機構の仲裁努力も無視して、戦争を通じて相手を屈服させようとするやり方に、朝鮮半島での戦争の危機を実感する。世界のどの国であろうとも統制できない絶対的な軍事力を持つ帝国『アメリカ』は、恐ろしい存在である。そして米軍は韓国にとって神聖不可侵な聖域である。韓国の民衆は米軍という絶対的武力に沈黙を強いられてきた」 安さんはニューヨーク展をぜひ、成功させたいと意欲を燃やす。「今こそ、米軍が韓国民衆に強要し抑圧してきた沈黙の現場を見せるときだと考える。その現場には黙々と土とともに、そして海とともに暮らしてきた民衆の素朴な姿が息づいている。米軍が韓国に強いてきた沈黙の現場が語る真実を、私たちの写真は、そのままアメリカ人の心に伝えることになろう」(朴日粉記者) (ニューヨーク展へのカンパ先は郵便振替口座12110―83608941 李千愛さんへ) [朝鮮新報 2004.10.13] |