障害者、高齢者、健脚者がともに走る、ピポ・ユニバーサル駅伝−東京第5、第3の生徒が参加 |
性別、年齢、国籍、障害の有無に関わらず、共に支えあう共生社会を目指したユニバーサルスポーツイベント「ピポ・ユニバーサル駅伝」(主催=NPO法人コミュニケーションズ・スクエア21)が9月26日、東京都新宿区の都立戸山公園で行われた。イベントには約500人が参加し、小学生、視覚障害者、車いす利用者、60歳以上の高齢者、健脚者の5人が1つのチームを組んでタスキをつないだ。また、去年に続いて東京朝鮮第5初中級学校中級部と東京朝鮮第3初級学校の生徒らが参加し、みんなで支え合うことの大切さを学んだ。 「来年も必ず参加」
「ピポ・ユニバーサル駅伝」は、小学生、視覚障害者、車いすの人、高齢者、健脚者の5人が1チームを編成して走る。ボランティアが障害者たちをサポートし、1区間1.2キロ、全5区間をそれぞれ5人のチームでタスキをつなぎゴールをめざすロードリレー競技だ。大会には中山弘子・新宿区長も訪れあいさつを行った。当日は雨天にもかかわらず中止することなく、参加者、ボランティアらは一生懸命、競技に参加した。 東京第5中級部の生徒たちはそれぞれ車いす・視覚障害者の伴走者、コースキーパーに、また東京第3初級の生徒らは選手となり駅伝を楽しんだ。
チームマネージャーは日本リハビリテーション専門学校の学生らがほとんどだったが、朝鮮大学校体育学部の学生や朝鮮学校の教員もいた。NPO救助犬協会から5匹の救助犬もレースに参加。高齢者の中には在日同胞もいて、朝鮮学校に通う孫と一緒に参加する姿も見られた。 去年に続いて車いすの人を押しながら走った洪玟皓くん(東京第5、中2)は、「あまり話すことのできなかった人で、ちゃんと会話ができるか不安だったけど、一言一言聞き逃さないように聞くとちゃんと言葉もわかり、話ができるようになった。障害を持っていてもみんなそれぞれの考えや夢を持っているし、みんなと何も変わらない」と話した。 「1年に1回だけじゃなく3回ぐらいやりたいと思った」と話すのは金純夏さん(東京第5、中2)。
「車いすの人と走ってゴールした時『ありがとう』と言われたのがとてもうれしかった。最初は行くのがめんどくさいと思っていた自分が恥ずかしかった。ぜん息を持っていて途中めげそうになったけど、最後まで走れてよかった。来年も必ず参加したい」 視覚障害者と走った高仙雅さん(東京第5、中3)は、「目の見えない人と話すことの難しさを知った。自分は言葉だけじゃなく顔でもコミュニケーションをとっていたので、その癖がついていた。自分の気持ちを言葉だけで表現するのは思いのほか大変だったけど、チームの雰囲気がよく気がねなく楽しく過ごせたのでとてもいい経験になった」と感想を述べた。 安心してスポーツを 同大会の副本部長、審判長を務めたコミュニケーションズ・スクエア21理事の李節子さん(朝鮮大学校講師、在日朝鮮人陸上競技協会、理事長)は次のように語った。 「今大会はチームの仲間と親ぼくを深め、世代間の交流をいっそう深められた。教育の現場においてもこのような催しはとてもいい経験になるはず。こうした大会をさまざまな地域で開催し活性化させ、安心してスポーツができる環境作りを目指したい。パラリンピックに出場できる選手はまだごく一部。障害者らが家にこもらず、スポーツの楽しさを味わって社会に出るきっかけをもっと作っていきたい」(整理=金明c記者) [朝鮮新報 2004.10.5] |