〈東アジア共同ワークショップ〉 過去史に向き合い友情深める |
1997年の北海道を皮切りに南朝鮮、大阪など毎年場所を変えて行われてきた東アジア共同ワークショップ。「過去を心に刻み、未来を共に創る」という理念のもと、在日コリアン、日本人、南朝鮮の留学生らがフィールドワークなどを通して、過去の歴史と向き合い友情を深めてきた。初参加者も常連の参加者もいるが、そのきっかけはさまざま。ワークショップの魅力や意義などを「神戸チーム」のフィールドワーク参加者らに聞いた。(金明c記者) 高校3年の時から参加し、今回で6回目。姉の誘いで参加するようになった。初めて参加した時は、いっぺんにいろんなことを詰め込まれて整理できなかったが、今はさまざまな問題を落ち着いて考えられるようになった。当初は、在日コリアンや朝鮮学校の事をなんとなく知っているだけで深くは知ろうともしなかった。ここには在日コリアンや朝鮮大学校の学生、韓国人らが集まるので勉強になるし、互いを理解しあえる大切な場所。一度来るとまた来ようと思う。(「神戸チーム」責任者の道又嘉織さん、20、大学3年、京都) 2000年から参加し、今回6回目。初めて参加した時は在日コリアンとの出会いが衝撃的だった。彼らの存在や境遇を知った時、日本人としてやるべき事がなんなのかを考えるようになった。もし日本人とだけ接していたらそんな考えもしなかったはず。大学では在日朝鮮人の問題に関して研究し論文も書いた。朝大生の友だちもできる事で、もっと知りたいと思った。境遇は違うが会う事を重ねていけば必ずわかり合えると思う。(北島知織さん、26、会社員、東京) 大阪出身で日本学校に通った。現在はソウルで働いている。02年に済州道で行われたワークショップに初めて参加した。さまざまな人と出会えるのでとてもいい刺激になり、いろんな人と話をできるのがだいご味だと思う。ソウルに住んで感じるのは、自然で楽な姿でいられる事。日本人とはまた違って、同じ民族だと実感できる。(在日3世の李浩徹さん、22) 現在は韓国に語学留学中。ワークショップには3年続けて参加している。在日コリアンらと違いを認め合う事が大切だと感じる。日本では交流する場所や日常がないから、それをワークショップに求めている気がする。互いにわかり合える展望がここでは見える。(道又朋子さん、22) 初めて参加し、とても意義のある行事だと感じた。在日コリアンや韓国人らとこうして出会えるのがワークショップのいいところだと思う。自分にはコリアンの血が混ざっているが、国籍は日本籍。自分を日本人としか考えたことがない。在日コリアンと分かり合う状況を作るのは自分たちだし、今後もこのような機会に参加して自分と向き合うと同時に、いろいろな話し合いをしていきたいと思う。(沖田大介さん、23、会社員、京都) ワークショップの共同代表を務める金英丸さんと知り合い参加するようになった。在日コリアンや韓国人に出会い、今まで学んだ事以外の事を知る良い機会だった。単純な日常から抜け出し刺激をもらえる。自分の背中をポンッと押してもらうだけで視界が開けた気がする。(植田二郎、21、フリーター、高知) 親の時代は日朝友好運動が盛んな時で、物心ついた時から朝鮮の事に関わっていた記憶がある。朝鮮が甚大な水害にあった時に支援したり、西大阪朝鮮初級学校で交流したりもした。ワークショップにはさしたるイメージも持たずに参加したが、フィールドワークを通して、在日の若者たちと自然と仲良くなれる活動だと感じた。(伊関瑞穂さん、18、大学生、大阪) 中学まで朝鮮学校に通った。出会いを大切にできればと思い、ワークショップに初めて参加した。ここはさまざまな人と出会える貴重な場。意見交換する事によって自分と向き合え、新しい考え方ができる。国や人種が違うだけで「壁」を作ってしまうことが差別につながるのではないか。もっと話し合って理解しあえればいいと思う。(朴伸次さん、24、大学院1年、京都) 昨年、初めて北海道のワークショップに参加した。新聞放送学科なので撮影を受け持った。その時はワークショップで行う事をばく然と知る程度だった。当然、質問を受けても何も答えられず悔しくて泣いたことを思い出す。とくに在日コリアンに関する知識に乏しく、朝鮮半島の事でも「そんな問題もあるんだな」としか考えていなかった。今回は自分が主体になって参加したし、ワークショップに関わる人たちがとても熱心であることを知った。普段スポットを浴びにくい定住外国人や在日コリアンにしっかりと目を向ける事が大切だと感じた。(李惠寅さん、20、光云大学3年) [朝鮮新報 2004.8.21] |