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東京でシンポジウム「戦時体制とジェンダー」開催

質疑応答にこたえるバネリストたち

 3日、東京・池袋の東京芸術劇場大会議室でVAWW−NETジャパン第7回総会シンポジウム「戦時体制とジェンダー」が開かれた。

 開会に先立ち参加者たちは、6月30日に脳出血のためソウル市内の病院で亡くなった元「従軍慰安婦」の金順徳さんに黙とうを捧げた。

 パネルディスカッションにはアジアプレス・玉本英子記者、アムネスティインターナショナル日本・川上園子国際キャンペーン担当、甲南大学(表象文化論・ジェンダー論・美術史専攻)・北原恵教員がパネラーとして出演。

 「戦時報道の現場より―イラク・アフガンの女性たち」(玉本)、「女性に対する人権侵害の実態―アムネスティレポートより」(川上)、「戦時体制とジェンダー表象」(北原)についてそれぞれ語った。

 北原さんは、01年扶桑社の「新しい歴史教科書」のなかで「国家の存亡をかけた日露戦争」の挿絵に登場する東城鉦太郎の油絵「三笠艦橋の東郷大将以下」を示し、「これは作者が想像で描いたもの。事実とは異なるが、これを元に映画も作られた。描かれた絵や映像はたとえまちがえがあっても『真実』としてそれを見た者たちの記憶に沈潜する」と指摘。世界中に衝撃映像として流れたフセイン像の引き倒し、ジェシカ・リンチ救出劇も「作られたもの」であったと話した。

 これまで戦時体制のジェンダー表象は、救われる女、戦う女性兵士、従軍女性記者(チアガール)などであった。しかし、アブグレイブ刑務所で起きたイラク人拘束者への虐待問題で、その表象とはかけ離れた若い女性が「暴力をふるう女」として登場し衝撃を与えた。

 VAWW−NETジャパン共同代表の西野瑠美子さんは「暴力をふるう方が男性で、受ける方が女性だったなら、あれほどまで注目を浴びただろうか」などと話した。(潤)

[朝鮮新報 2004.7.12]