作家・落合恵子さんが語る、平和で差別のない社会を |
6日、東京・四ッ谷の主婦会館プラザエフで特別講演会「平和で差別のない社会を求めて」が開かれ、随筆家の岡部伊都子さんと共に作家・落合恵子さんが演壇に立った。 落合さんは朝鮮学校生徒のチマ・チョゴリ切り裂き事件のたびにノーの声をあげ、卑劣な暴力事件の根絶を訴えてきた。落合さんはとくに社会における少数派や、声の小さい側に置かれている人々の側に立ち、話題作を発表。また、東京、大阪で女性、子供の本の専門店「クレヨンハウス」をオープンして、女性たちが「自分自身の生き方を自分で決める」ための支援を続けていることでも知られている。 岡部さんに続いて登壇した落合さんは「敬愛する岡部さんと同じ空間にいると思うだけで心臓がバクバクします」と語りながら、「この国でいま、口を閉ざしたらもうダメ、いまが崖っぷち」だと会場を埋めた約200人の聴衆に呼びかけた。 「21世紀を迎えて、もう少しましな、人権を大切にする世紀がやってくると期待していたら、9.11、アフガン、イラク戦争が引き起こされ、全体主義にブレーキがかけられなくなってしまった」 こんな風潮に「異議あり」と声を上げると、日本のメディアは「もう、出演させない、使わない」と規制するので、この国はもっともっといやな社会、時代へと疾走しつづけている、と落合さん。 アフガニスタンへの報復戦争に反対した時、「テロを容認するのか」とバッシングされたことのある落合さんだが、「それでも、『ここ』にいる限りは、異議あり、を続けるしかないよね」と語りかけると会場から大きな拍手が送られた。 落合さんは、「日本がひどい国だとは、思っていたけどますますひどい国になってきた」、「自分と違う意見や違う人を見つけて、バッシングする疲れる時代、猛々しい社会」だから、できるだけ元気にタフに乗り越えようと会場の人たちに呼び掛けた。 落合さんは自らの考え方、生き方を、「人間を国籍や民族、肌の色、性別、生まれ、職業などで優劣をつけない考え方であり、それを実行することであり、生活に根づかせる」フェミニズムであると説明した。 そして、世の中がおかしくなって、足を踏まれた時に、それにじっと耐えるのではなく、「足をどけろ」と言える人間になりたい、そして、道端に咲く花を踏みつぶそうとする動き、平和な風景を壊そうとする動きに対して、もう間に合わないとあきらめず、「もっとがんばろう」と力強く呼びかけた。(粉) [朝鮮新報 2004.6.21] |