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映画「熊笹の遺言」東京、大阪で上映

 ハンセン病の元患者たちの素顔を映したドキュメンタリー映画「熊笹の遺言」が東京・渋谷のユーロスペースで上映されている。

 群馬県草津町にある国立ハンセン病療養所栗生楽泉園には、平均年齢74歳を超えたハンセン病の元患者が今も250人以上暮らしている。映画は療養所で暮らす2人の男性と1人の女性にスポットを当て、元患者の心の内を映し出している。

 今田哲史監督(28)は、「映画学校の2年生に上がる春休みぐらいから、ハンセン病の裁判に関するニュースを目にしていた。約1世紀にもわたる長い間、近代国家日本がこのような非人道的なことをしてきたということにショックを受けた」と話す。そのショックがハンセン病を題材に映画を撮る動機となった。

 映画には、「患者を患者として特殊にとらえるのではなく、人間として、共に分かち合えるものを作りたい」という若き製作者たちの思いが込められている。

 登場人物の1人谺雄二さん (ハンセン病国賠訴訟全国原告団協議会会長)は、「映画を通じて彼らと新しい人間関係を築くことができた。信頼できる若者たちに出会えたことがとてもうれしい。人とつながれるということ、それは元患者にとって生きる喜びにもなった」と語った。

 上映は、東京・渋谷のユーロスペース(渋谷駅南口下車徒歩2分。TEL 03・3461・0211)で10時40〜11時45のモーニングショー。大阪上映は、19日から西区のシネ・ヌーヴォ九条(地下鉄中央線「九条」駅徒歩2分。TEL 06・6582・1416)で。詳細は、http://www.cinema-juku.com/kumazasa/

[朝鮮新報 2004.6.9]