戦争責任資料センター連続講座、植民地責任どう定立? |
「日本の戦争責任資料センター」主催の連続ゼミナール「植民地支配責任をどのように定立するか」が22日、東京・新宿で行われた。講師は朝鮮近代社会史研究者の板垣竜太さんが務めた。
板垣さんはまず、1991年1月の1回目から2002年10月の12回目に至るまでの日朝交渉の争点と植民地支配責任の問題点について細かく報告した。 さらに、植民地支配の責任を問う最近の世界的潮流について見たうえで、こうした流れから今必要な植民地支配責任の概念について提起した。世界的潮流については、01年8月31日〜9月8日に行われたダーバン会議(人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する世界会議)で採択された政府間宣言、NGO宣言について説明。植民地主義を「人道に対する罪」とする可能性を開いたもので、植民地主義の未解決が今日の人種主義、人種差別の源泉となっているとの認識を示した点について指摘した。板垣さんは、「日本においては在日朝鮮人差別と植民地問題の未解決が深くかかわっている」と述べた。 また、「日帝強占下強制動員被害真相糾明等に関する特別法」(04年2月)、「日帝強占下親日反民族行為真相糾明に関する特別法」(04年3月)の制定など南で急速に進む植民地支配の責任を定立させる動きについて紹介し、これらを一国的枠組みにとどめるものではないと強調。植民地主義自体がある意味で「トランスナショナル」な運動だっただけに、その責任追及のプロセスもトランスナショナルである必要があると結論づけた。 [朝鮮新報 2004.4.28] |