「人権協会公開学習会」 地域の取り組みに学ぶ |
かながわ外国人、すまいサポートセンター理事 「安さんが出演
在日本朝鮮人人権協会が主催する公開学習会「地域の取り組みに学ぶシリーズ」の第1回目が10日、東京都台東区の同胞法律・生活センターで行われた。「在日朝鮮人の民族的アイデンティティーと共生」を共通テーマに、各地域でのさまざまな取り組みを紹介し、その経験を共有しようというもの。今回は、外国籍県民かながわ会議委員を務め、「かながわ外国人・すまいサポートセンター」理事として活動する「安さんが、「国際交流から多文化共生へ」と題して講演した。 外国籍県民かながわ会議の経験 外国籍県民かながわ会議は1998年に設置され、14の国と地域の国籍を持つ20人の委員が参加。「さんはまずはそこでの経験談を話した。
教育文化部会に2期関わっていた「さんは、「それぞれ、見解の違いを強く感じた」と話す。 朝鮮学校の処遇をどうにかしなければならないという思いから、助成金と国立大学受験資格の問題について主張してきた「さん。「これについては誰もが認めてくれるものだと思っていた」。 するとある国の人が、「あなた方は義務も果たさずに、なぜ権利ばかり要求するんだ」と言ってきたのだという。 義務は果たしているし、日本で生活するうえで権利を主張するのは当たり前だと言うと、「『人の国に住まわしてもらっているんだから、君が代や日の丸も尊重しなくてはいけない』と言われ、とても驚いた」そうだ。 この「認識の違い」こそが、私たちが認めなくてはいけないものだということに気づかされたという。 「在日朝鮮人を取り巻く歴史認識について知らなすぎる人が多いということ。日本の人々も例外ではない。自分の事を主張するばかりでは問題の解決にはならないと考えた。しっかりした共通認識を持つことが大切だ」 年に5〜600件の相談案件受付 神奈川県内には外国籍の人が15万人ほど住んでいる。住民の60分の1が外国籍住民ということだ。 「同会議が設置された背景には、80年代後半から90年にかけて外国籍の人たちが大量に入ってきたことがある」と「さん。 いろんな不満があるからこそどうにかしなければ、日本にいるから仲良く生活していくべきだということを考えてきた。 そんななか、言葉や習慣、文化の違いによる誤解などから外国籍の人の住宅入居に関するトラブルが相次いでいる。こうしたことから、01年に「かながわ外国人すまいサポートセンター」を開設した。 「さんはそこで理事を務める。「ニューカマー、オールドカマー、日本人が3分の1ずつ一緒に仕事をしている」。 ここには、年間5〜600件の相談があるそうだ。活動、業務内容は、外国人に部屋を仲介してくれる不動産の紹介、言葉や習慣の違いから起きる大家、不動産屋とのトラブルの相談などで、「近年、相談案件が急速に増えている」という。 教育の現場からの話もあった。 日本の公立学校に、さまざまな国の人たちの文化を理解するために講師に学校に来てもらい、英語でその国の文化を紹介する「国際理解教室」というものがある。 「一見よさそうに思えるが、英語を話せる人たちの方が話せない人たちより優れているという間違った認識を与えかねない。それぞれの文化が大事だという事を教えないといけない」と指摘する。 ほかにも「かながわアースフェスタ」や「神奈川県下の朝鮮学校への入学応援隊」の取り組みの話もあった。 最後に「さんは、「自分の住んでいる地域で、小さな所から国際交流をはじめて見てください」と参加者らに呼びかけていた。(金明c記者) 次回は5月8日(土)、午後2時半より開始。東京朝鮮第9初級学校アボジ会OBの金容星さんを講師に迎え、さまざまな地域交流について紹介する。 [朝鮮新報 2004.4.28] |