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兵庫県宝塚市、朝鮮学校生徒の就学補助金 現状維持

 兵庫県宝塚市から通う朝鮮学校生徒の就学補助金が、今年度も現状維持のまま支給されることになった。 

 市議会は3月30日、25日に可決された今年度予算案の修正案に対し、市長が再議を求めたことを受けて臨時議会を開催。その結果、修正案は出席議員の3分2以上の賛成を得られず廃案となり、続いて審議された市側の原案が賛成多数で可決された。しかし、市側が補助金据え置きなどを盛り込んだ修正案の考えを取り入れることを表明。これによって、伊丹朝鮮初級学校生徒の就学補助金は現状維持の要求が認められたほか、その他の請願団体の補助金も現状維持、または減額縮小になった。

 昨年10月中旬の新市長就任後、宝塚市は財政難を理由に04年度予算案を減額、教育、福祉など180団体に対する補助金を一律3割削減することを発表した。この中に朝鮮学校生徒の就学金(1人年額14万円)も含まれていた。伊丹初級(一昨年宝塚初級と統合)に児童を送る同市在住の保護者ら同胞、日本の市民団体、市民らが撤回を求める運動を展開した。

 昨年12月3日には7団体と民団も名を連ねた「朝鮮学校児童保護者補助金の予算減額に反対し、よりいっそうの支援拡充を求める」請願書を提出。定例市議会で採択された。

 にもかかわらず、今年2月10日の新年度予算案では、請願の趣旨と要求が認められなかった。請願書を提出した5団体は3月定例市議会に、@高齢者、障害者の雇用促進と安定を求める請願A宝塚市の保育水準の堅持を求める請願B地域児童育成会の有料化についての請願C朝鮮学校児童保護者補助金の予算減額に反対し、よりいっそうの支援拡充を求める請願D市立図書館の充実を求める請願―を内容とする共同請願を再度提出した。

 市議会では公明、社民、共産の各党代表がこの問題を取り上げ質問し、市の財政難を弱者に回し、貧富の差を広げる政策を批判した。

 このような過程を経て、3月25日の本会議では、保育料の値上げをやめたり、朝鮮学校児童の保護者に対する補助金を据え置くなどの修正案が可決されたが、市長が再議を要求。市が提出した原案は可決されたが、市は修正案の考えを取り入れる方針を明らかにした。

 削減反対運動を推し進めてきた宝塚同胞生活総合センターの情報紙「握手・絆」(第82号)は、全面勝利ではないが、多くの市民の要求と市民主権の擁護に立ち上がった議員たちの行動の賜物で、画期的な前進を意味するとしている。

[朝鮮新報 2004.4.16]