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新刊「石川文洋のアフガニスタン−戦争はなぜ起こるのか」冬青社から出版

 イスラエルによるパレスチナ・ハマスの精神的指導者ヤシン師の殺害、彼らはPLOアラファト議長の暗殺までほのめかしている。そんな時に「石川文洋のアフガニスタン−戦争はなぜ起こるのか」が出版された。米国空爆後のアフガニスタンを精力的に取材したもので、犠牲になった人々の悲しみや苦痛、日常の風景など500枚の写真と文章が収められている。

地雷、不発弾による身体障害者はアフガニスタン全土に大勢いる

 石川さんはベトナム、ラオス、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ソマリアなどの数多くの戦場取材や写真展「沖縄・復帰03年―1969年〜2002年の記録」などの仕事を通じて、戦争の惨禍を長期にわたって追究してきた。石川さんは、その悲惨な戦場を体験した遺族の消えることない悲しみと死者の果てしない沈黙を追い続け、死者に代わって沈黙を語り継ぎ、平和を訴え続けてきた。

 本書でもその姿勢は揺るぎない。石川さんは「ベトナム戦争後の米軍による化学兵器、枯葉剤の散布の影響による子供たちの抱える先天性異常」をずっと追及してきており、その姿勢はアフガニスタン取材でも一貫している。

 「難民とあって家を失った人々の苦労、両足を失うなど自らも負傷しながら戦争被災者のために働いている女性たちの姿に感動しながら」、石川さんは「地雷、不発弾で傷ついた子供たちに接するたびに、戦争責任者に怒りを感じた」と書く。

ブルカの下の美しい少女の笑顔

幼い子を抱く父。年齢より老けて見える人が多い

 ほとんどが「国益と自国の平和を守るため」という口実で起きる戦争が多くの民間人を不幸にしているという戦争の実相。

自宅からそれぞれの敷物を持参して床に敷いている高校生

にぎわいが失われた寂しい大通り

 石川さんは戦場カメラマンとして、何度も死線をくぐりぬけてきた。その過酷な体験と反戦への強い気迫、抵抗する民衆、女性や子どもたちへの優しい思いが、本書を手にする人たちにきっと伝わるだろう。(朴日粉記者)

[朝鮮新報 2004.3.29]