top_rogo.gif (16396 bytes)

「改正外為法」成立に日本市民ら撤回を求める

 「改正外為法」が成立したことと関連し、日本の各界の市民、団体が声明や談話を発表。同法の成立を非難するとともに白紙撤回を強く求めた。同時に、「改正外為法」に続いて準備されている「特定船舶入港禁止法案」や「再入国禁止法案」などに対しても強い反対の意を表明している。以下、要旨を紹介する。

 (外為法の)「改正」は日本が独自に閣議決定で制裁を実施し、送金や貿易取引をストップさせることを企図するもので、日朝関係をさらに悪化させ、懸案事項の解決を遠ざける挑発的なものであり、強く抗議する。

 さらに小泉内閣は「特定外国船舶入港禁止法」「再入国禁止法」も用意している。これらの立法は、朝鮮敵視、在日朝鮮人弾圧の意図を公然と表明するものである。

 朝鮮に対する経済制裁の画策は「アフガン・イラク方式」の適用で疲弊させ、政権打倒をはかろうとするもので、武力行使と同質のものであり、断じて許すことができない。

 小泉政権はブッシュ政権への追随をやめ、日朝国交正常化のための政府間交渉を促進すべきであり、対話の障害を作り出すべきではない。(横堀正一、日本朝鮮学術教育交流協会事務局長)

 朝鮮に圧力をかけることによって拉致問題や核問題の解決に向けるとの主張があるが、実際には日朝間の関係正常化にとって新たな障害をもたらし、6カ国協議など核問題の平和的解決を遅らせる役割を果たすものでしかない。

 もし朝鮮に経済制裁が行われれば、現在の食糧不足を加速させ、子どもや弱者に犠牲が広がりかねない。また、在日朝鮮人に対して親類などとの交流を制約するものにほかならない。必要なのは、人道的食糧支援であり、日朝間の交流の拡大だ。(東北アジアに非核・平和の確立を! 日朝国交正常化を求める連絡会)

 この法改正を主導したのが自民党若手の「対北朝鮮外交カードを考える会」であることからも明らかなように、これは朝鮮に対する悪意を前提とした「経済制裁法」である。しかも「特定外国船舶入港禁止法案」や「再入国禁止法案」まで議論に上っている。これは露骨な在日朝鮮人に対する人権侵害以外のなにものでもない。

 「ただちに発動するかどうかは別」とは言うものの、戦争ができる普通の国づくりに向けて有事法制が整備される中でのこうした悪法に何としても歯止めをかけなければならない。(嶋田和彦、日朝友好連帯埼玉県民会議事務局長)

 「改正外為法」は朝鮮に対する敵視政策の露骨な表れであり、戦争へと踏み込むものだ。また、日朝関係をさらに悪化させ懸案事項の解決を遠ざけるばかりでなく、平和と安全を脅かすだけである。

 日本が単独で朝鮮に対する経済制裁を実行できるようにする同法は、時代に逆行するものであり断じて許せない。

 政府に強く抗議し撤回を求める。(渡辺隆、朝鮮人強制連行真相調査団千葉県朝・日合同調査団日本人側団長)

 朝鮮の経済を圧迫し窮地に追い込むことにより、日本政府の不当な要求を受容させるという卑劣極まる術策は日本政府自ら墓穴を掘る結果になることを知るべきである。

 一昨年の日朝平壌宣言を誠実に履行していれば、拉致問題も国交正常化交渉もいい方向に進展していたはずであった。

 客観情勢を正しく見ることができず、主観的に、願望的にその場を繕う小泉首相の政治生命もまもなく終わり、ブッシュとともに世界の人々に弾劾されることは確実である。(石本剛、市川朝鮮問題研究会代表)

[朝鮮新報 2004.2.21]