〈イラク戦争〉 カーネギー財団など米政府非難 |
「大量破壊兵器の除去」を口実に敢行された米英によるイラク戦争。しかし、彼らが「ある」と主張する大量破壊兵器はブッシュ米大統領が「戦争終結」を宣言してから半年以上経つものの、いまだ発見されていない。最近では「イラクの脅威」が米英政府によって誇張されたものだという事実も次々と暴露され、戦争の正当性が問われている。 「計画的に誇張」 「米政府は、イラクの大量破壊兵器プログラムの危険性を計画的にわい曲した」 カーネギー国際平和財団は04年1月のレポートでこのように指摘した。「イラクの大量破壊兵器」と題されたレポートで、同財団はイラクの脅威は決して差し迫ったものではないと指摘。「イラクの大量破壊兵器プログラムは無視できないものの、長期にわたって解決すべきものだ」と述べながら、「米国や中東地域、世界の安全保障にとって直接かつ即刻の脅威にはならない」と強調した。 レポートはまた、戦争開始前とその頃になされたブッシュ政権高官らの発言から情報を選別したうえで、米政府が戦争前にもっとも有益なものと思われていた国連の活動、とりわけ国連査察官らの努力に対する不正確な情報を流したことを非難した。米政府高官は特に、この問題に関するさまざまな情報から、あいまいなものや推測性のものはすべて、彼らの公式な発言から定期的に取り除いていたという。 一方、レポートはフセイン政権がおそらく大量破壊兵器工場を破壊、もしくは隠すことに成功していたと推測しながらも、4月以降いかなる大量破壊兵器の痕跡も見つかっていないと強調。「ブッシュ政権高官は計画的に大量破壊兵器と弾道ミサイル計画によるイラクの脅威をわい曲してきた」と述べながら、「イラクがアルカイダに大量破壊兵器を提供していたという証拠はどこにもない」と付け加えた。 「ジュネーブ条約違反」 世界的な人権団体である「ヒューマンライツウォッチ」は13日、声明を発表し駐イラク米軍が抵抗勢力容疑者の家を破壊し、家族や親せきも逮捕する戦争犯罪を敢行していると非難した。 声明は米軍が最近、▼明確な理由もなくイラク人の家4棟を破壊、▼最高クラス手配者イブラヒム前イラク副大統領の妻と娘を何の容疑もなしに6週間以上も拘禁、などの具体例を挙げながら、これは報復や抑制策として家屋や民間施設を破壊することを禁じたジュネーブ条約の「集団処罰」にあたり、相手側の行動を強制する目的で人を拘禁することもジュネーブ条約に重大に違反する戦争犯罪だと強調した。 [朝鮮新報 2004.1.23] |