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松井やよりさん追悼シンポジウム「戦時性暴力をどう記録するか」、東京で開催

 「松井やより追悼」1周年記念シンポジウム「戦時性暴力をどう記録するか―ドイツと韓国の試みに学ぶ」が、「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW−NETジャパン)などの主催で昨年12月21日、江戸東京博物館ホールで開かれた。

 シンポでは西野瑠美子VAWW−NETジャパン共同代表が、故松井やより氏の遺志である「女たちの戦争と平和資料館」建設と記録の仕方について@ジェンダー正義の視点に立ち、戦時性暴力(「慰安婦」問題と現代の戦時性暴力)に焦点を当てるA被害だけでなく、加害責任を明確にするB未来に向けた活動の拠点C国家権力とは無縁の民衆運動として建設、運営するD国境を越えた連帯などを挙げた。さらに5つの理念の具体的構想として「慰安婦」や近、現代の戦時性暴力の資料を集めたアーカイブスであるだけでなく、情報の発信基地であり、性暴力の根絶や女性の人権の確立のため、平和のための運動の拠点であること。さらに、ただ展示されたものを見るのではなく立体的な参加型の資料館作りをめざしたいと語った。

 また、尹貞玉韓国挺身隊問題対策協議会前共同代表が、日本帝国主義による植民地支配の形態について、天皇の直属する総督(陸軍大臣)が直接武力統治した過酷な支配に触れ、次のように指摘した。

 「日本の朝鮮半島強制占領期の歴史は収奪の歴史である。その収奪の最後の段階が当時の朝鮮女性の性収奪であった。1945年以後にも、性奴隷被害女性に対する日本の人権侵害と、日本の指導者たちによって繰り返される妄言は稚拙な形で朝鮮半島を再び侵略しているのだ。公式謝罪と賠償を要求してきた被害者を無視して、『国民基金』を持って免罪符に換えようとした。石原東京都知事、森喜朗元首相などの妄言は、侵略を正当化しようとする国体論を繰り広げている。これは、朝鮮人にとっては愚民政策、強圧政策によって創氏改名を強行したか、どんなに無神経、かつ残忍に少女と若い女性を連行し、性暴力を続けたかということを、心理的に再び認識させるものだ」

 また、シンポでは池田恵理子「女たちの戦争と平和資料館」建設委員長によるビデオ「アウシュビッツからベルリンへ 加害の記憶を辿る旅へ」が上映された。

 この日、江戸東京博物館ではシンポの後、夜7時から詩人の石川逸子さん原作のドラマスティック・リーディング「地球という小さな星の上で」が上演され、約400人が観覧する盛況となった。

[朝鮮新報 2004.1.7]