〈2004年朝鮮半島を振り返る−2−〉 核問題、破たんした米の狙い |
2月に行われた第2回6者会談で朝鮮側は、同時一括妥結案に沿った透明性ある核廃棄の意思を明らかにし、その第1段階の行動措置を取ることができると提案した。しかし、米国は先核放棄論を繰り返し、自らの行動計画も示さなかった。そのため会談は空転した。
この間、朝鮮側は金正日総書記の中国訪問(4月)など、中国との親善関係を発展させるとともに、ロシアとも緊密な連携を取り共同歩調を取った。 また、南との関係でも2月の閣僚級会談を通じて6者会談を結実あるものにするために協力することで合意。日本との関係においても2回目となる首脳会談(5月)を行うなど、北東アジア、ひいては世界の平和と安定のための環境を整えていった。 朝鮮がこのように積極的な外交攻勢を展開する中で行われた第3回6者会談では、「凍結対補償」問題を基本に討議することに関する合意と共通認識に至り、各問題解決の枠組みを作った。 これは米国がこれまで一貫して拒否してきたものであり、米国の対朝鮮敵視政策とも相反するものだ。 その結果、6者会談を朝鮮に対する圧力を加える場として利用しようという米国の目的は破たんすることとなった。 朝鮮側は第3回6者会談直後、外務省スポークスマンの談話を通じて、米国が「転換的な提案」をしたことを「肯定的な進展」と評価する一方、米国が公約どおりに「凍結対補償」案を検討し、自らの義務事項を明白に提示すれば核問題解決の突破口が開かれると強調した。しかし米国は、6者会談の基礎を壊して、核問題で二重基準を適用し、6者会談をこう着状態に陥れた。 第3回6者会談の終了直後から米政府の高官らは、会談の合意と共通認識に反する「リビア式先核放棄」方式を朝鮮に押し付けた。同時に、CVID主張を再浮上させながら、「濃縮ウラン計画」「人権」「麻薬」「宗教」などで執拗に言いがかりをつけた。 これを受けた朝鮮側は、「米国の『転換的な提案』は目くらましのための提案だった」(外務省スポークスマン、7月24日)と指摘。このような状況で、会談を続ける必要があるのかと疑問を表した。 6者会談はその形式を維持することに意義があるのではなく、実質的な結果が出てこそ意味のあるものだ。 そのため朝鮮側は、会談再開のためにはそれに応じた条件と環境が整えられなければならないと主張している。ここでの基本的な問題は、「米国が敵視政策をやめ、朝鮮と共存する意志を持つこと」だ。 [朝鮮新報 2004.12.23] |