〈2004年朝鮮半島を振り返る−1−〉 金正日総書記、精力的に活動 |
朝米間の核問題と関連して3回にわたって行われた6者会談、02年9月と04年5月の2度にわたって平壌で行われた朝・日首脳会談、6.15共同宣言発表後、曲折を経ながらも開城工業地区事業など、着実に進む北南関係。04年の朝鮮を取り巻く情勢は、依然として厳しいが確実に進展している。金正日総書記の対外活動と国内活動、北南関係、朝米、朝・日関係など今年の朝鮮半島情勢を振り返る。 中ロとの関係強化
今年の総書記の対外活動で注目すべきなのは、対中関係と言える。総書記は今年、4月19〜21日の中国非公式訪問をはじめ、5回にわたって中国の党、国家指導者や芸術団団長と会見した他、中国建国55周年などを機に2回にわたって祝電を交換している。 朝鮮中央通信が6日の論評で、今年はさらに朝中親善が強まった1年として「歴史に長く輝く」と強調したように、総書記の精力的な活動により今年の朝中関係はさらに深まった。 訪中期間、総書記は胡錦濤主席と会見し、両党、両国間の関係をさらに発展させることと、共通の関心事となる国際問題に関して意見交換し、見解の一致を見た。 一方、10月には外交関係樹立55周年に際して金永南最高人民会議常任委員会委員長を団長とする朝鮮政府代表団が訪中するなど、高位級代表団の往来とともに、政治、経済、軍事、文化などさまざまな分野での相互訪問も活発だった。
また、大安親善ガラス工場をはじめ、中国政府は朝鮮政府に3回(4月19日、9月11日、10月18日)にわたって無償援助を行った他、龍川駅爆発事故に際しては1000万元の救援物資を提供した。 金正日総書記はその一方で、ロシアとの関係強化にも力を注いだ。外相(7月5日)や連邦評議会議長(9月13日)をはじめ、7回にわたってロシアの人士と会見した。 また、ロシアの国慶節と誕生日に際し、プーチン大統領に祝電を送った。 ミロノフ連邦評議会議長は9月13日に行われた宴会での演説で、両国関係が良好に発展していることに満足していると述べながら、ロ朝関係の特徴は、不変の相互信頼、多方面にわたる連携、国際舞台での協調の拡大だと強調した。 中ロとの関係は今後、朝鮮半島を取り巻く情勢に肯定的な影響を与えることが予想される。 多方面にわたる視察 金正日総書記は今年、軍部隊および軍関連施設を55回視察した(15日現在)。軍関係以外の現地指導(12回)に比べ、圧倒的に多い。ここには、軍隊を中心に強盛大国の建設を実現しようという総書記の思想と意図が込められている。 労働新聞は、95年1月1日の軍部隊視察から始まった先軍政治10周年の意義を強調しながら、「先軍革命歴史」を総括している。 朝鮮半島を取り巻く情勢は、米国による対朝鮮圧殺策動により、さらに厳しさを増している。こうした状況の中、金正日総書記は軍の戦闘力を強化するため、軍関連の視察を精力的に行った。 先軍政治とは一言で、軍事先行の原則で革命と建設で提起される問題を解決し、軍隊を革命の主力として社会主義建設全般を推進する政治方式だ。そのため、軍隊は国を守ることだけでなく、社会主義建設全般を受け持っており、自力更生の手本となっている。 こうした脈絡から見ると、総書記が軍部隊に対する今年最初の視察地を食糧加工工場にしたことや、鴨牧場や牛牧場、農場など軍に所属する生産施設を視察して高く評価したことは、この部門の事業を活性化するためのものと見られる。 金正日総書記は軍部隊以外にも、平安南道での土地整理事業、楽元機械連合企業所をはじめとする機械工場、国立交響楽団、民俗料理品評会など幅広い分野に対する指導を行った。 ショベルカーを新たに生産した楽元機械連合企業所では、成果に満足の意を表しながら、人民経済の各部門に送ることについて、工作機械の現代化を実現した亀城工作機械工場では生産の高速化、精密化、科学化をさらに推し進め、労働者の技術技能水準を高めることに触れながら、具体的な課題と方途を示した。 また、朝鮮料理協会が主催した民俗料理品評会会場を見て回りながら、民俗料理の伝統を生かすうえで指針となる課題を提示した。 陶磁器工場では工場の課題を提示しながら、人民生活の向上に積極的に貢献するとの期待と確信を表明した。(李松鶴記者) [朝鮮新報 2004.12.18] |