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ウリ党、保安法廃止の年内処理保留 「詐欺行為」だと内外から非難噴出

 「国家保安法」廃止案の処理が難航している。与党の「開かれたウリ党」(ウリ党)は当初、同法案の年内処理を目指していたが、野党ハンナラ党の反発により、年内処理の方針を7日、保留した。こうしたウリ党の背信行為に対し、同法の廃止を強く求めてきた市民や民間団体はもとより、与党内からも激しい非難の声が上がっている。

「妥協の対象ではない」

 ウリ党の千正培院内代表は7日、記者会見を開き、「責任ある執権与党として国家と民族のために重大な決断を下さざるをえなかった」と述べ、保安法廃止案の年内処理を保留する方針を明らかにした。

 しかし、これに先立ち同日午前、ウリ党は前日に続き国会法制司法委員会に廃止案を上程しようとし、崔鉛熙委員長(ハンナラ党)に拒否された。同党の梁承晁議員は、「法制司法委員のレベルで議論し提出したものであり、指導部との相談はなかった」と説明。党関係者も、「特別な政治的意味を付与する問題ではなく、上程して議論をしようというもの」だと述べた。

 ウリ党が、「奇襲上程」の翌日に保留の方針を下すという矛盾した対応を取ったことについて、党指導部がすでに年内処理の保留を決めていたのではないかという憶測が流れている。連合ニュースによると、ウリ党は11月27、28の両日に行われた党内のさまざまな会合で、4大改革立法のうち、保安法廃止案を後回しにするという戦略に転換していたという(7日付)。

 こうした党上層部の決定に対し、「このような重大な決定は議員総会で決定すべき事案だ」(張永達議員)、「与党としての苦衷は理解するが、保安法廃止は妥協の対象ではない」(林鍾仁議員)と党内の反発も大きい。

 一方、保安法の完全廃止を求めている民主労働党は7日、記者会見を行い、ウリ党の保留方針を「国民に対する詐欺行為」だと非難した。

 同党は記者会見文を通じ、「廃止案上程を取り巻く昨日の曲折も、結局はハンナラ党との野合のための政治ショーである」と指摘。国会周辺で保安法廃止を求め約300人の市民団体の責任者らがハンストを行っていることに触れながら、現時点で保安法の処理を延期するということは、国民に混乱をもたらし最終的には保安法の廃止を妨げるという宣言にほかならないと批判した。

予想される反発非難

 ウリ党の年内処理保留のニュースを聞いたハンスト中のメンバーらは、ウリ党本部の前で緊急記者会見を開き、保留方針の撤回を強く求めた。

 参加者らは記者会見文で、「来年2月の臨時国会は補欠選挙を控えていることもあり、絶対に保安法廃止案を処理することはできないだろう。つまり、保安法を廃止しないという意味だ」「ウリ党が現在の立場を変えて年内処理の方針を明らかにしない以上、われわれはウリ党を攻撃せざるをえない」と強調した。

 全国連合のオ・ジョンリョル常任議長は、「ウリ党に一抹の期待をかけていたわれわれ自身を省みなければならない。もう一度民衆を主体にした政党を作ろう」と述べた。民衆連帯のチョン・グァンフン常任議長も、「ウリ党は執権党になるや否や保安法を温存するのを見ると、後で悪用するつもりではないのか。ハンナラ党に押されるということは、ハンナラ党と共存しようということではないか」とウリ党の姿勢を非難した。

 記者会見後、参加者らはウリ党本部正門の道路に、「詐欺改革の開かれたウリ党は自爆しろ」と書き、李富栄議長と千正培院内代表との面談を求め座り込みを行った。

 ウリ党が年内処理を留保したことにより、保安法の廃止は来年4月の全党大会までは棚上げされる可能性がある。また、4月には再選挙と補欠選挙があるため、それ以降に引き伸ばされる恐れもある。

 こうしたことから、保安法廃止を保留にしたウリ党の姿勢は今後、与党内の反発や他党、市民から猛反発を受けることが予想される。

[朝鮮新報 2004.12.9]