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民主労働党、米の「北朝鮮人権法案」で抗議文

 米上院で「北朝鮮人権法案」が通過したことと関連し、南の民主労働党は9月30日、ソウル市内で記者会見を開き、法案に対する糾弾声明を発表するとともに、法案の撤回を求める抗議書を米大使館に手渡した。

 金昌鉉事務総長は、「イラクでの戦争捕虜に対する性的虐待事件でもわかるように、世界のいたる所で人権を蹂躙している米国が、なぜこの法案を通過させたのか。それを考えると脅威として受け取ることしかできない」と指摘した。

 また、「人権は普遍的価値があるものであるが、米国は常にこれを政治用語として使ってきた。『イラク解放法』や『イラン関連法』はその典型で、6者会談が順調に進んでいた最中にこのような法案を通過させたのは、北を崩壊させるための戦争シナリオを稼動させたということだ」と強調した。

 李永順議員は、「下院を通過した同法案の問題点を直視し、状況を打開させようと準備を進めているうちにこのような事態に遭遇した」と述べながら、「あまりにも重大な問題に対し、政界がろくな対応もできず深く反省している」と語った。

 また、「米国が次のターゲットを探して侵略戦争の準備を進めている時に、これほど重要な問題に対し政府はこの間何をしていたのか。これまで抗議書を手渡せないよう米大使館を厳重に警備しながら、同族が侵略されるかもしれないことには何も言えない政府は無気力にもほどがある」と非難した。

 朴用鎭スポークスマンは、「問題がこれほど重大になるまで政府は何もしたことがない」と、北南問題について手をこまねいてばかりいる政府を批判した。

 参加者らは米大使館に手渡す抗議書で、民主労働党は「北朝鮮人権法案の不法性と違法性を再度強調」し、米政府と議会に強い抗議と法案の撤回を求めた。また、7月21日に法案は下院を通過したが、北の体制崩壊を目的とした内政干渉であると共に誤った対北政策の一環であり、朝鮮半島の緊張を高め北との対話の窓口を断ち切るものだと指摘。同法案は6者会談をさらに泥沼化させひいては北東アジアの平和定着にも悪影響を及ぼすと強調した。

 さらに、同法案の核心は「脱北の誘導と支援」にあり、法案の可決が対北敵視政策の一環としてブッシュ政権の選挙活動に悪用されることを憂慮していることを強調しながら、北はもちろん南の市民も反対している誤った法案の可決を不純な目的で強行している米国政府と議会に強い抗議の意を表した。

 朴スポークスマンは今後の活動について、「まずは国政監査を通じて同法案処理の過程で韓国政府が何をしたかを調査する」と述べた。また、同法案の推進と企画脱北などに極右キリスト教団体が深く関与している点に触れながら、「党レベルで実態調査を行っている最中」であることを明らかにした。

[朝鮮新報 2004.10.4]