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ソウルで協議会第2回会議、過去の清算へ国際連帯

各国の連帯で一挙に証拠確認

日本、米国、中国からも参加者があった「日本の過去清算を要求する国際連帯協議会ソウル大会」

 「日本の過去清算を要求する国際連帯協議会第2回会議ソウル大会」が20〜24日、ソウル市の女性プラザで開かれ、北南朝鮮をはじめ日本、中国、米国、台湾、フィリピンから被害者と代表ら約300人が参加した。北側の日本軍「慰安婦」被害者と強制連行被害者らが南を訪れるのは初めてのこと。

 来年2005年は日本の朝鮮植民地支配100年、解放60周年にあたる。協議会では、個人と国を超えて日本の戦争犯罪に対して謝罪と補償を求め、アジアの平和のために貢献し、来年を過去の問題を解決する原点の年にすべく、02年5月に平壌で国際連帯協議会の発足を決議。昨年9月、中国の上海で第1回会議が開かれた。

 今協議会では、これまでの調査、運動の成果と経験が総括的に報告され、また声明を通じて重要な提案を行った。

 21日、各国の被害者らが証言した。朝鮮の日本軍「慰安婦」被害者のリ・サンオクさん(78、黄海南道出身)は1943年、17歳の時に同じ村の2人の少女とともに平安南道順川の日本軍「慰安所」に連れて行かれた。性奴隷として辱められ、日に20人から25人の相手を強要された。

 1年後のある日、1人の少女が日本軍に惨殺される光景を目撃した。このままでは自分も殺されると思い、もう1人の少女と一緒に逃げ出した。今も当時の暴行の後遺症で腰が痛み、左耳が聞こえにくいと、日本の蛮行に怒りをあらわにした。

 中国の南京大虐殺の被害者、姜根福さん(74)は母と姉、弟が目の前で日本軍に虐殺された体験を証言した。

「慰安婦」テーマにフォーラム

一堂に会した北南、在日の強制連行被害者

 続いて日本軍「慰安婦」をテーマにフォーラムが開かれた。西野留美子(「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク)共同代表がこの間、国際的な連携によってなされた調査が大きな成果を生んだケースについて報告した。

 1939年に中国の日本軍「慰安所」に連行された朴永心さんの被害調査に関し、朝鮮と日本、中国の連携、協力によって昨年、米公文書館に所蔵されている記録の中から本人の名前を確認した。これに続き、本人が同行して「慰安所」を確認、中国人証言者を探し出すことができた。西野代表はこれら重要な証拠が一挙にそろったのは、各国の連携以外にありえなかったと強調した。

 洪善玉・協議会朝鮮側委員長(朝鮮日本軍「慰安婦」及び強制連行被害者補償対策委員会委員長)は、日本軍「慰安婦」制度実施において朝鮮がどのような位置と役割を担わされたかについて、具体的に分析、報告した。連行先は朝鮮国内50カ所、日本国内10カ所をはじめ、日本軍が占領していたアジアすべての地域におよんだ。朝鮮半島は日本軍「慰安婦」供給の本拠地となり、20万人が性奴隷を強いられ、そのうちすでに60%が死亡したという。

「真相究明特別法」で被害調査

 強制動員被害がテーマのフォーラムでは、南の張完翼さん(弁護士)が3月5日に公布された「日帝強制占領下における強制動員、真相究明特別法」の内容と意義について報告。@被害者真相調査に関する事項A国内外資料の収集と分析、報告書作成B遺族の審査、決定C史料館の造成D戸籍登記に関する事項―などについて説明した。同法は被害者と遺族の粘り強いたたかいの結果制定されたが、まだ真相究明の根拠作りがなされたにすぎない。張さんは、じん速かつ効果的な調査を行うためには関連国の協力が求められる、と今後の課題を指摘した。

[朝鮮新報 2004.5.31]