米国が南朝鮮で犯した犯罪を暴露する祖国平和統一委員会、祖国統一研究院の備忘録(上) |
祖国平和統一委員会、祖国統一研究院は昨年11月28日、米国が南朝鮮で犯した各分野での犯罪を暴露する備忘録を発表した。備忘録は、南朝鮮や米、日などで発行、出版された書籍や資料、ニュースなどに基づいて作成、具体的な被害額を算出している。3回に分けて要旨を紹介する。 今年(2003年)は、米軍の南朝鮮占領を恒久化した「韓米相互防衛条約」が締結されて50年になり、2005年には米国が南朝鮮を占領して60年になる。 人類史には侵略と略奪に関する多くの記録が残されているが、米国の南朝鮮占領のように、占領地域を徹底的に植民地化し、人民の生命と財産に莫大な被害を及ぼした例はない。 米国が南朝鮮を占領した1945年9月8日から今日に至る2万1000余日の間、南朝鮮では一日として、米国によって人民の血が流れない日はなく、破壊と略奪の災難に見舞われない日はなかった。 南朝鮮における米国の犯罪は、その規模と持続性、暴虐さと悪らつさにおいて人間の想像を絶するみぞうのものである。 それにもかかわらず、米国は「解放者」「援助者」と自称して、今も南朝鮮人民の頭上に君臨し専横と横暴の限りを尽くしており、朝鮮民族に核戦争の惨禍までもたらそうとしている。 祖国平和統一委員会と祖国統一研究院は、共同で南朝鮮における米国の犯罪を決算するため、彼らによる朝鮮人民の人的、物的被害を全面的に調査し、その被害総額を見積もったこの備忘録を公表する。 1.人的被害 南朝鮮を占領して犯した米国の最大の犯罪は殺りくである。 米国による南朝鮮人民の虐殺は、侵略的な世界制覇戦略と植民地支配政策に基づく組織的な国家的犯罪である。 米国は、南朝鮮占領直後と朝鮮戦争の時期に、人口の10%にあたる民間人と愛国者を惨殺し、戦後も銃撃や暴行、テロ、強盗、強姦、放火、故意的な交通事故、伝染病の伝ぱ、枯葉剤の散布などによって数知れない無この住民の命を奪った。 ▲人的被害の状況 ―占領直後に惨殺された人の数(1945.9〜1950.5) 和順炭鉱労働者の闘争など労働運動の弾圧による虐殺:1万1000余人、済州道4.3人民抗争の弾圧による虐殺:7万余人、智異山パルチザン闘争の弾圧による虐殺:15万余人、10月人民抗争の弾圧による虐殺:1万余人、麗水・順天抗争の弾圧による虐殺:3500余人、「報道連盟事件」の弾圧による虐殺:50余万人、その他の虐殺:25万5500余人 計:100万余人 ―朝鮮戦争の時期に虐殺された人の数(1950.6〜1953.7) ソウル:13万6000余人、京畿道:16万2500余人、忠清南北道:16万7000余人、全羅南北道:38万8000余人、慶尚南北道:18万9500余人、南朝鮮の江原道:19万7000余人、済州道:400余人 計:124万余人(軍人を除く) ―戦後に虐殺された人の数(1953.8〜現在) 銃撃や暴行、テロ、強盗、強姦、放火、故意的な交通事故などによる死者:5万7500余人、流行性出血熱の伝ぱによる死者:2万余人、枯葉剤の散布による死者:500余人、ベトナム戦争派兵およびその後遺症による死者:5000余人 計:8万3000余人 以上の資料を総合すると、人的被害の総計は死者が232万3000余人、負傷者は652万余人に上る。 これは、南朝鮮の領土の大きさや人口を考慮すると、人類史上、占領軍による最大の民間人の人的被害となる。 ▲人的被害額 米国は、南朝鮮における民間人虐殺について罪の意識をもって謝罪したことは一度もなく、他国による自国民の人的被害については莫大な補償を求めながらも、南朝鮮人民に与えた人的被害については完全に無視してきた。 米国による南朝鮮人民の人的被害額は、国際慣例による計算法どおりに死者が生存した場合、労働可能な期間とそれによって得られる所得、利子と米ドルの価値変動などを考慮に入れて計算すると、次のとおりである。 死者:9兆3430億2005万米ドル、負傷者:13兆1057億2812万米ドル 計:22兆4487億4817万米ドル ※利子はこの50年間、米連邦準備制度理事会が発表した基準金利の平均数値の5%を適用した(利子の適用は以下も同じ)。 米国は、南朝鮮におけるこのような前代未聞の殺りくのかどをもってしても、人類と歴史に対しA級戦犯としての責任を回避することはできない。(参考資料『大韓民国統計年鑑』『韓国統計年鑑』、南朝鮮の単行本『分断と戦争の韓国現代史』『駐韓米軍の30年史』『動くものは何でも撃て』『老斤里から梅香里まで』、南朝鮮の新聞、雑誌、通信、放送、AP通信、共同通信、ロイター通信などの外信、その他) 2.物的、経済的被害 南朝鮮における米国のいま一つの犯罪は、南朝鮮に莫大な物的、経済的被害をもたらしたことである。 帝国主義の侵略と軍事的占領には破壊と略奪がつきものであるが、南朝鮮を占領した米軍がはたらいた破壊と略奪は、その手法と内容、規模において古今東西に類を見ない、もっとも横暴で狡猾かつ悪らつなものであった。 ▲収奪による被害 米国は、南朝鮮を占領した当初から「軍政」を敷き、日本帝国主義の財産を「敵資産」として強奪。本国に送ったり南朝鮮で新たな親米資本を育成し、植民地支配の基盤づくりに利用した。 また、日本帝国主義支配の時代より過酷な租税制度を設けて南朝鮮人民の血を絞っただけでなく、日本帝国主義の供出制度をまねた「米穀収集令」などを発して大量の穀物と鉱物を略奪した。 ―「敵資産」による略奪 工場および鉱山:1万余個、家屋:10万余棟、農地:32万4404ヘクタールなど当時の価格で148億6400万米ドル、現在の価格に換算すると2兆5438億6964万米ドル(利子の適用期間は44年) ※「敵資産」による略奪は、占領直後から1958年まで続けられた。 ―税金による収奪 当時の価格で61億6800万米ドル、現在の価格に換算すると1兆7194億7755万米ドル(利子の適用は54年) ※税金による収奪は、「軍政」が敷かれていた1948年まで続けられた。 ―穀物および鉱物の略奪 穀物:169万6160トン(当時の価格で1866万米ドル)、鉱物:70万2530トン(当時の価格で1億351万米ドル) 現在の価格に換算すると、穀物:52億192万米ドル(利子の適用期間は54年)、鉱物:131億1677万米ドル(利子の適用期間は40年) 計:183億1869万米ドル ※穀物の収奪は1948年まで、鉱物の略奪は1960年代初までを計算した。 収奪による被害総額:4兆2816億6588万米ドル ▲破壊による被害 米国は朝鮮戦争の前に、済州島、智異山、太白山、馬山、釜山、大邱、麗水、統営、宜寧など南朝鮮の全域で人民の反米愛国闘争を弾圧する過程で多くの家屋と山林を焼き払い、破壊した。 また朝鮮戦争の時期には、太平洋戦争のときを上回る爆弾と砲弾を朝鮮半島に集中的に浴びせ、朝鮮の北半部はいうまでもなく、南朝鮮全域の都市と農村を焦土化した。 ―戦争前の被害 家屋:61万余棟(当時の価格で6億1000万米ドル)、山林:10万余ヘクタール(当時の価格で9億8500万米ドル) 現在の価格に換算すると、計4033億558万米ドル(利子の適用期間は52年) [朝鮮新報 2004.2.27] |