そこが知りたいQ&A−第2回6者会談が始まるが? |
Q 25日から北京で第2回6者会談が始まるが。 A 朝鮮半島における核問題解決のために朝鮮、米国、中国、ロシア、南朝鮮、日本が参加する会談で、第1回会談は昨年8月に行われた。会談は6者の形式を取っているが、直接の当事者は朝鮮と米国である。 Q 朝鮮は会談にどのように臨もうとしているのか。 A 朝鮮外務省スポークスマンは昨年8月、第1回会談に先立ち談話を発表。まず@米国の対朝鮮政策転換の意志を確かめ、次にAプレゼントとしての「安全保証」や「体制保証」ではなく、朝米間で互いに攻撃しないことを法的に保証する不可侵条約を締結する、最後にB米国が敵視政策を放棄しない限り「早期核査察」は受け入れない、との立場を表明した。 続いて会談後、昨年12月9日の談話を通じ、朝米間で最低限、「言葉対言葉」の公約とともに、第1段階の行動措置についても合意を見なければならないと主張した。 その内容は、朝鮮が核活動を凍結する代わりに、米国が「テロ支援国リスト」から削除、そして政治、経済、軍事的制裁と封鎖を撤回し、米国と周辺国が重油、電力などのエネルギー支援をする−などをあげている。 そのうえで、「核問題の解決で同時行動原則に基づいた一括妥結方法に依拠するのは、朝米間で合意すべき核心事項」だと強調している。 Q 米国はどういう立場なのか。 A ボルトン米国務次官は16日、在中米国大使館での記者会見で、「米国側は朝鮮に対して、『完全確認可能かつ不可逆な形』で核計画を放棄するよう求める」と強調した。 具体的には、すべての核プログラムの凍結と核査察の受け入れなどを主張している。 しかし、米政権にはパウエル国務長官やアーミテージ国務次官に代表される勢力と、ラムズフェルド国防長官やウォルフォウィッツ国防副長官をはじめとするネオコン勢力の間に、核凍結と施設の破壊、検証を同時に進めていくのか、分離するのかなどについて意見の開きがあるようだ。 Q 朝米以外の国はどうなのか。 A 南朝鮮は今会談で、「北による核廃棄宣言に対応した用意の表明」と「廃棄手続きに沿った関連国間の書面保障および議会決議」を内容とする段階的な対北安全保障方案を提示するとの観測が出ている。また、北が核を廃棄した場合、中国、ロシアとともに段階的に重油を提供することなども検討している。 しかし、南の市民団体が19日、外交通商部を訪れ6者会談で米国の立場の代弁者ではなく、独自の立場を取るよう促すなど、米国よりの主張に終始するのではないか、という危惧もある。 一方、ロシアはロシュコフ次官が19日、「現在までに、関係各国の立場の理解はいっそう深まった。ロシアは今回の協議で何らかの進展を得るある程度の希望があると認識している」と指摘した。 第1回に続き今回もホスト国の中国も前向きな姿勢だ。王毅外交部副部長は13日、南を訪問し「中国は今回の会談で参加国が譲歩し合うことを期待する」と述べながら、「北が抱いている合理的な関心事は適切に解決されなければならない」と指摘した。 そして、「中国は朝鮮半島の非核化を強く望んでおり、核問題は平和的に会談を通じて解決されるべきだ」と強調した。 Q 日本はどうなのか。 A 日本は会談で拉致問題を取り上げることを明らかにしているが、朝鮮はその場合、「日本の協議参加自体を拒否」する旨を伝えている(14日、外務省スポークスマン)。 そもそも、6者会談の目的は朝米の核問題の解決であり、拉致問題ではない。米国は日本の立場を「理解」し、拉致問題に触れると言っているが、核問題解決という本来の会談の目的をあいまいにし、問題の解決を長引かせようとする遅延戦術の一環とも取れる。 Q 会談の展望は。 A 昨年4月の3者会談から8月の第1回6者会談までは、朝米間で原則論の応酬が続き、敵対感情が高まるだけだった。 しかし、ブッシュ大統領の「書面による安全保障」発言があった10月からは、風向きがやや変わった。 朝鮮中央通信が3日、第2回6者会談再開に関する報道で「関係国との協議があった」と伝えた。また、7〜10日にかけて訪中した金桂官外務次官が李肇星外相一行、戴秉国筆頭外務次官と会見、王毅次官と会談を行い、朝中双方が核問題解決のための同時一括妥結案と、それに伴う第1段階の措置として朝鮮が打ち出した「凍結対補償」提案の妥当性を認め、次回の6者会談で実質的な進展を遂げるため共同で協力していくことで合意したことなどから、前回のような言葉の応酬ではなく、朝米がテーブルに座って真摯に話し合う場になるだろう。(李松鶴記者) [朝鮮新報 2004.2.24] |