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朝鮮での「2月の名節」、一心団結、勝利を強調

 【平壌発=姜イルク記者】朝鮮人民は、核問題をめぐる朝米の対立がいっそう深まる中、金正日総書記の62回目の誕生日を迎え盛大に慶祝した。

 市民の情勢認識は、依然として厳しく難関は大きい、というのが一般的だが、情勢を悲観ばかりはしていないようだ。2.16慶祝中央報告大会で報告した楊亨燮最高人民会議常任委員会副委員長は、「朝鮮人民は…明るい前途に対する信念に溢れている」と強調した。その根拠は、朝鮮が以前から築いてきた一心団結にある、としている。2月の名節に際し朝鮮のメディアは、総書記の周りにさらに固く団結することを強調しながら、社会主義の勝利を収めようと強くアピールした。

 16日、平壌大劇場で行われた2.16慶祝音楽舞踊総合公演の舞台には、舞踊「革命の勝利が見える」、男声重唱「社会主義勝利が見える」が上った。観客席からは大きな拍手が沸いた。

平壌ではさまざまな行事が行われた

 金正日総書記の誕生日に際し、平壌では大小さまざまな行事が組まれたが、一心団結とともに「勝利」が強調された。

 金正日総書記の誕生日にあたる16日付労働新聞は1面に社説を掲載し、「団結よりも貴重な財富はない。一心団結は祖国と革命の未来だ」と一心団結の意義を強調、さらなる団結を促した。また社説は、「勝利」という単語を幾度も用いながら、「わが祖国と革命の前途は果てしなく洋々としている」と指摘している。

 「革命の勝利」「最終勝利」という言葉は、以前から朝鮮のメディアがよく用いてきた言葉だ。しかし最近市民の中では、さらに実感のこもった言葉として捉えられている。「総攻勢」と連結させながら相当の覚悟を込めて使われている。

 新年の共同社説は、今年を「わが祖国と民族の前途に偉大な勝利の里程表が刻まれる新年」と位置付け、強盛大国建設のすべての部門で「総攻勢」をかけることを強調した。「総攻勢」という言葉は、今日の朝米対立と無関係ではないだろう。

 「われわれはイラクとは違う」「米国とは決着をつけないとならない」−慶祝行事で会った市民らは、自信に溢れこう語っていた。今日の朝米対決での勝利を確信していた。

 その根拠となっているのが、軍事をすべてに優先させるという先軍政治だ。朝鮮のメディアは先軍思想で団結するのが「世界最強の力」(1月22日付労働新聞)になると指摘している。

 市民らは、金正日総書記が行ってきた先軍政治に絶大な信頼感を寄せている。先軍政治で「銃声なき戦争」での勝利を収め、経済試練の「苦難の行軍」をしのいだ。またその正当性は、イラクの事態が証明し、今日の朝米対決でも同じだ。米国は朝鮮半島で戦争を起こすことができないでいる。

 朝鮮半島情勢が緊張している中でも、平壌の街はイルミネーションとネオンで彩られ、総書記の誕生日に際したさまざまな行事が行なわれた。2月の名節の華やかな慶祝の場に、新たな勝利をめざす市民の決意と自信感が溢れていた。

 朝米対決は新たな局面に入っている。今月25日からは第2回6者会談が開催される。これを前に朝鮮は、金正日総書記の周りに一心団結した姿を力強くアピールした。

[朝鮮新報 2004.2.19]