そこが知りたいQ&A−第13回北南閣僚級会談の論点は? |
3日から始まった第13回北南閣僚級会談(ソウル)が6日終了し、共同報道文が発表された。今会談の特徴、合意内容などをQ&Aでまとめた。 Q 今会談は内外の大きな注目を集めたが。 A 昨年10月、平壌で行なわれた第12回北南閣僚級会談では、今会談の日程を決めた以外に特別な合意は見られなかった。また今年に入り1月5日に、米国が南に対して、核問題に合わせて北南関係の進展速度を調節するよう圧力を加えていたことが明らかになった。こうした状況を踏まえ今会談は、今後の北南関係の前途を占うと同時に、今年初めての会談とあって注目された。 さらに付け加えると、北側代表団のソウル到着直前に第2回6者会談の25日開催が発表された。国際的にも朝鮮半島の核問題の行方に大きな関心が寄せられている中、北南間の合意内容に注目が集まっていた。 Q 今会談の特徴は。 A 南側に対する北側の非難が近年、稀なほど強かったことだ。 南側は昨年、北南関係において成果が多かったと評価した。しかし北側は、「経済協力分野をはじめ、全般的北南関係は進展したのではなく、後退した」(金゚星北側団長の基調発言。以下引用は同)との認識を示した。とくに、核問題の解決程度に沿って北南関係の速度を調節せよという米国の圧力を拒否できずにいる南側に対し、「わが民族同士の根本理念に忠実だったとは思えない」と強いいらだちをぶつけた。また、開城工業地区開発、金剛山観光事業など経済協力問題において消極的態度を取っていることを例に挙げ、「南側の態度はわれわれに対する米国の孤立圧殺政策に参与していることの証拠となるだけだ」と厳しく非難した。 そして、「われわれはいつまでも、実態もない言葉だけの和解、協力に期待を持って南側の反北共助行為を黙認できない」「今後6カ月間、南側の立場と態度を見守っていく。万が一、南側が6.15共同宣言に明示されているわが民族同士の理念を尊重せず、北南関係を今のように空言ですませよとするなら、われわれは他の選択をせざるをえない」と警告した。 北側団長は、非公開だった会談以外の公開の席でも、北南関係の速度が上がらないことに不満を表明しながら、再三再四、関係を加速させようとアピールしていた。 Q 非難ばかりだったのか。 A 北側は、今会談が大きな分岐点と見ていた。「いつの会談よりも重大な意義を持つ」と位置付けていた。 だから不満をぶつけるだけでなく、関係進展の有利な環境を整える努力も怠らなかった。南側に負担となる反北団体の解体問題には、基調発言を見る限りいっさい触れなかった。平壌での12回会談で北側は、これを第一の要求として取り上げていた。 Q 核問題に対する双方の観点は。 A 金北側団長は、6者会談の基本は「凍結対保障」と主張した。すでに北側は1月12日の外務省スポークスマン談話を通じ、「凍結対保障に合意する用意があるなら、われわれも黒鉛減速炉による核活動を凍結する用意がある」意志を表明した。すなわち、北側は、核問題解決は米国の態度いかんにかかっている、と見ている。 だから金北側団長は「南側が本当に核問題の平和的解決を望むのなら、われわれの凍結対保障提案が実現できるようこれを支持し、米国に応じるよう積極的に働き掛けるべき」だと強調した。 しかし南側は、核問題の早期解決には言及しながらも、米国の「先核放棄」を主張し、北側の反発を招いた。 Q その他の議題は。 A 北側は、わが民族第一主義、当局間の民族共助、経済協力事業の発展などを提案した。 とくに当局間の民族共助に関しては、民族共助を妨害する内外の要因を取り除き、当局共助の幅を広げるばかりでなく、民間級の共助を力強く主導すべきだと主張。核問題解決でも共同歩調で対応することを求めた。 一方南側は経済協力事業の推進、社会文化分野の交流協力、人道問題の解決、政治軍事分野の信頼増進などを提案した。時間ぎりぎりの調整の末に、共同報道文の発表にこぎつけた。 Q 今会談の意義は。 A 6.15共同宣言の理念に沿って、北南が共助していく意志を再度、内外に強くアピールしたことだ。 共同報道文の発表までは陣痛を経たが、互いの努力により会談が決裂することなく、発表にたどり着くことができた。 25日からは第2回6者会談が行われる。今後、北南関係の進展とともに、6者会談に臨む南側の態度を北側は注視している。(ソウル=姜イルク記者) [朝鮮新報 2004.2.9] |