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北の地方特産料理番組を南のMBCが朝鮮中央TVと共同制作

 韓国文化放送(MBC)の一行が北側の地方特産料理を紹介する番組を制作するため、1月20日から平壌入りした。レポーターは南の人気女優、リャン・ミギョンさん。平壌はじめ元山、咸興、開城などの郷土料理とともに、民俗名節である陰暦の正月(今年は1月22日)を過ごす各地市民の姿も映像に収め、31日に放映されたという。「食べ歩き」形式の番組には、北側のレポーターも登場するなど、朝鮮中央テレビとの共同制作になっている。放送を通じた北南交流は、統一行事などの熱気を直接、伝えることにより統一の機運を高めるばかりでなく、半世紀以上も異なる制度が持続している中、互いを理解、尊重するのに役立っている。

今も記憶に鮮明なユン・ドヒョンの歌声

 今回MBCを招請したのは、民間交流の窓口となっている民族和解協議会(民和協)だ。金日成広場での取材現場で出会った旧知の民和協関係者は、「今後も北南間の放送交流事業を発展させていく」と強い意欲を口にしながら、「統一機運を高めるための意義のある放送のためなら、引き続きMBCや韓国放送公社(KBS)、ソウル放送(SBS)など有力放送会社との共同制作を歓迎する」と指摘した。

 ちなみに、記者が「わが朝鮮新報社も、民族料理紀行を制作し南の市民放送(RTV)に提供している」と告げると、MBC関係者は「それに負けない、より良いものを撮らないと」、と意欲を見せていた。

 北南のテレビ番組共同制作は、昨年8月にも行なわれた。8.15光復節にちなんで朝鮮中央テレビとKBSが共同で「平壌のど自慢」を収録し、それぞれ放映した。司会は北の女性アナウンサーと南の男性タレントが務め、北の労働者、農民、学生など各界各層の老若男女と南の有名歌手が出演、大きな反響を呼んだ。

 一昨年9月には、北南交響楽団合同演奏会の模様を朝鮮中央テレビとKBSが同時放映した。同時放映はこの時が初めてだった。これに続き、平壌MBC特別公演も朝鮮中央テレビとMBCが同時放映した。

 同公演で民謡「アリラン」を涙を流しながら熱唱した南の人気歌手ユン・ドヒョンさんの歌声は、1年以上が経った現在も20代から50代の幅広い女性層の記憶に鮮明で心をとらえて離さない。

ひぼう中傷の中止から民族同士へ

 6.15共同宣言発表以前の対決の時代、互いが放送を通じて、ひぼう中傷し合っていたことも事実だ。

 昨年7月、ソウルで開催された第11回北南閣僚級会談では、社会文化協力分科会の構成を検討していくことで合意した。

 共同報道文によると、同会議では社会、文化、スポーツ分野などでの交流、協力事業を協議し、相手側に対するひぼう中傷放送中止など双方が提起する問題を検討していくことになっている。すでに北側は同年8月、南に向けた放送を中止することを決定し通知した。

 実は、ひぼう中傷放送を中止する問題は2000年8月、南言論社代表団の平壌訪問の際に発表された北南言論機関の共同合意文でも指摘されている。

 合意文は、「民族の団結と統一を実現していくうえで役立つ言論活動を積極的に繰り広げていくことにする」ことについて指摘。さらに「言論、報道活動において互いに協力し、接触と来往、交流を通して理解と信頼を築いていく」ことを強調した。

 北と南の人々は、半世紀以上も違った制度下で暮らしてきた。しかし、同じ民族同士、手を取り合って行くことの重要性、必然性の意識を持ち深めて行くために放送交流を活発化して、北南間の和解、団結を促進していくその役割は大きい。(平壌=姜イルク記者)

[朝鮮新報 2004.2.3]