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〈文益煥牧師10周忌追悼行事〉 北の代表団参加、各界人士と歓談

 既報のように、故文益煥牧師の10周忌追悼「平和統一祈願の夕べ」が17日、ソウルで行われ、朱鎮具民族和解協議会(民和協)副会長をはじめとする北側代表団7人と、約800人の南の各階層人士らが参加した。10周忌追悼行事は、統一のため全人生を捧げた文牧師の遺志を受け継ぎ、必ず統一を成し遂げようという北南同胞の熱い思いを再確認する場となった。

みんなで一つずつ

文益煥牧師の墓前に立つ北の代表団 [写真=聯合ニュース]

 「平和統一祈願の夕べ」は1部追悼大会、2部文化公演として行われた。追悼大会では、金大中前大統領(代読)らが文牧師が統一運動で成し遂げた業績を称えた。そして、北南の参加者たちがその遺志を継ぎ、必ず統一を成し遂げようとの決意を新たにした。

 2部の文化公演には、国立オペラ団、歌手のリ・ジョンリョル、キム・ウォンジュン、グループ「ウリナラ」、アン・チファンなどが出演。情熱的な舞台を披露した。

 文牧師の作った詩「自由」を朗読した映画俳優のムン・ソリさんは、朗読に先立ち「祖父の写真を1回も見たことはない。でも文牧師の写真を見るたびになぜか自分の祖父のような感じがした」「姓が同じ文だからということで、理解してほしい。だからといって戸籍に入れてくれとは言わないし、心の中で思うにとどめる」と観衆の笑いも誘った。

 参加者らは、「自分が北で、とうもろこし関連事業をしていた頃が思い出され涙が出た。文牧師は険しい道を拓いた。その遺志を継いで一日も早く統一を実現しなければならない。私たちみんなが努力し、南が大きな愛情を持って北を手伝うことが統一への近道」(キム・スグォン慶北大教授)、「牧師が亡くなって10年が経つ年に、みんなが牧師を忘れずに集まったことがとても感動的だ。何よりも北の代表団が席を同じくしてくれたことで意義が深まった。ともあれ、民主化と和解、協力を実現させながら、心にわだかまっている分断の障壁と鎖を打ち壊そうという文牧師の遺志が私たちの手で一つずつ実現することを望む」(呉宗烈全国連合議長)などと感想を述べた。

友人の多さ実感

 この日、行事に先立ち北の代表団は金九展示館を観覧。林東源元青瓦台外交安保統一特別補佐官をはじめ、鄭東泳「開かれたウリ党」議長、金槿泰、李昌馥、金希宣、鄭東采、林采正、任鐘皙の同党議員や権永吉民主労働党代表らと歓談した。

 鄭東泳議長は、昨年の大邱ユニバーシアード時、「大邱を愛する人の集い」が主催した南北文化公演は大成功だったと述べながら、「大邱はもっとも保守的な地域なので、カルチャーショックと言えるくらいうまくいった」と強調した。

 北の代表団メンバーのユ・ヨンソン祖国平和統一委員会委員は、「分断史上、文牧師ほど北南で知られた人物はいないだろう」と指摘。朱鎮具団長も、「文牧師の友人がとても多いということを実感した」と会場を埋めた人の多さ、文牧師の人脈の広さに驚きを隠さなかった。

「もう少し長生きすれば」

追悼行事に参加した北の代表団と南の人士ら [写真=聯合ニュース]

 また北の代表団は同日、行事に先立ち牡丹公園で行われた追悼行事にも参加したほか、ソウル市内にある「統一の家」(故文益煥牧師の妻・朴容吉女史など家族の住居)を訪問。「ソウルには『統一の家』があると聞いていたが、直接来てみると文牧師の魂が込められており、統一愛国の精神が染みこんでいるよう」(朱鎮具団長)などと感想を述べながら、文牧師の遺族らと歓談した。朱鎮具団長は朴容吉女史に長寿を祈願して鶴の刺繍などを贈った。

 朴容吉女史は、周囲の人々に「他の家では子どもが親に心配をかけるが、あそこの家は親が子どもに心配をかけている」と言われていたとのエピソードを紹介、北の代表団を笑わせた。また、「北の人たちと何度も会えるようになったので兄弟のようだ」と述べながら、「文牧師もわが家に北の代表団が来たのでさぞかしびっくりしていることだろう。もう少し長生きすれば会えたものを…」と声を詰まらせた。

 代表団は19日に南を出発、朱団長は「参加した人の統一熱気を感じた。北南が手を結び、統一への道を切り開いていけるということを確信した」と述べながら、滞在期間に歓待してくれたことに謝意を表した。

[朝鮮新報 2004.1.24]