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〈中国の高句麗史編入〉 南の各界、「容認しがたい」と反発

 中国が朝鮮古代史の高句麗を中国史の一部に位置付けようとしていることに対し、南朝鮮の専門家や国会議員、市民団体らが反発を強めている。

 一昨年2月から中国では「東北辺境の歴史と現状に関する研究」で黒竜江、吉林、遼寧の東北3省の歴史や現状課題を研究するプロジェクトが進行中で、総額200億人民元(約3000億円)を投入する計画だという。この中で、紀元前3世紀後半〜紀元668年にかけて朝鮮半島北部から中国にかけて存在した古代国家、高句麗を中国の少数民族史の一部に位置付けようとしている。

 中国共産党の学術分野の主張を代弁する光明日報が昨年6月、「高句麗は中国の一部」と主張したことが伝えられるや南朝鮮の歴史学会はいっせいに反発。12月9日には、古代史、考古学、近現代史、美術史、史学士の各学会、韓国歴史研究会など17の代表がソウル歴史博物館で「中国は歴史のわい曲をただちに中断せよ」との共同声明を発表、「こうした覇権主義的な歴史観は、最近の日本の歴史教科書わい曲事件にも現われているように、周辺国との関係を悪化させる恐れがある」と指摘した。

 同12日には、与野党の国会議員25人が、政府に厳重な抗議を求める決議案を国会に提出。22日から国学院とわが歴史を正しく知る市民連帯による「高句麗を守る人たちの汎国民100万人国民署名」がスタートした。市民たちは記者会見で、「このままでは乙支文コ将軍が中国人になってしまう!」「高句麗を守りましょう! みなさんの署名が必要です」などと声を上げた。署名運動は南朝鮮全域で展開されている。

 また、29日には、高句麗史を守る汎民族市民連帯がソウル市内で記者会見を開き、「中国は自国の古代史書でも明白に認めているわが民族の高句麗史を自国史の一部にするため、横車を押している」と声明を発表した。

 今月5日には、民族史観高校の生徒と中国歴史わい曲対策民族連帯会員らがソウル市の中国大使館前で中国の高句麗歴史わい曲を糾弾する集会を開き、14日には、韓国小説家協会がソウル市明洞の元中国大使館前で「中国歴史わい曲阻止と高句麗の歴史を守るための決議大会」を開催、問題解決に向けて南北がともに力を合わせていくことを求めた。また、16日には、九里市にある広開土王の銅像前で「高句麗歴史文化財団」が設立された。高麗大学では、中国東北の「高句麗史わい曲問題」と題した公開講座を行った。

 各紙も市民らと連動して歴史わい曲に反対する記事をいっせいに掲載している。中央日報は10日、「高句麗史を守る」との社説で「歴史とは単なる過去の記録にとどまらず現在の自己認識にもつながるため、中国のこうした主張は容認しがたいものであり、これに対する学界や市民団体の積極対応は必要かつ正当なもの」と主張。東亜日報も中国の主張を「新中華思想」と非難する特集を組んでいる。(金潤順記者)

[朝鮮新報 2004.1.23]