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〈朝鮮各地で旧正月イベントの準備〉 民族の伝統を子どもたちに

 朝鮮のカレンダーは旧正月にあたる1月22日が赤く印されている。この日、学校対抗の民俗遊戯が行われるなど、旧正月を盛大に祝うという。競技を前に市内の広場は、民族伝統の遊びをする多くの子どもたちでにぎわっている。

広場が生徒たちの遊び場に

 旧正月を前に、市内各所の広場は子どもらの遊び場になっている。

旧正月に行われる民俗遊戯競技での勝利をめざす

 12日、凱旋門広場には牡丹峰区域内の10の中学校、6の小学校から100人ずつの生徒ら計1600人が集まり、凧上げ、縄跳び、コマ遊びなど伝統の遊びを繰り広げた。広場のあちこちから子どもたちの笑い声、歓声が聞こえてきた。この日、約1カ月ぶりに平壌に降ったぼたん雪は、遊びに夢中になっている子どもたちをさらに楽しませていた。

 中学校は1月いっぱいまで、小学校は2月14日まで冬休みである。が、週に1回程度は学校別に集まって民俗遊びを集団的に行っているという。教員らも一緒に広場にきていた。

 ミンフン小学校少年団指導教員のキム・スニョンさん(29)は、「生徒らには古くから伝えられてきた民族の風習を幼い頃から教えないとわからない。冬休みの期間は広場で民俗遊戯などの行事を行う。普段も学校では課外授業として、民族の伝統に関する知識を教え、正月に行う新年のあいさつなどのしきたりなども教えている」と語った。

 近年、朝鮮では民族性の重要性が特に強調されている。全国的に正月や端午の節句を契機に朝鮮の民族性を表す子どもらの遊びや大人たちによる相撲競技、また民族料理競演などを奨励している。この様子はテレビでも頻繁に放映され、さらに将棋、ユンノリの方法など、民族的風習や遊びもよく紹介している。

 昨年からは新暦の正月よりも旧暦のそれをより盛大に祝う国家的措置がとられた。これも民族の伝統を継承する風潮の一環だ。昨年は慶祝ムードが漂うなか、旧正月に「新春の集い」が労働者、女性、学生少年など階層別に盛大に行われた。今年も旧正月にあたる22日にさまざまな行事が予定されている。

自分たちが「一番」という誇りを

 牡丹峰区域青年同盟委員会書記のコ・ソングンさん(30)も、この日凱旋門広場に足を運び、子どもらの民俗遊び競技を見守っていた。

 コさんは、民俗遊びを通じて子どもらの民族心を養い、民族の誇りを持つようにいろいろ工夫しているという。コさんは、「世界化の流れに同調して民族性を失っていく民族が少なくないというが、われわれは自分の民族のものを誇りに思い、それを守って発展させている。新年の共同社説でもわが民族第一主義が強調された」としながら、「米国がいくら圧力を加えようと屈する民族ではない、という気持ちが民俗遊びを通じて子どもらの心にも育ってくれるだろう」と話していた。

 朝鮮半島情勢が緊張している状況下でも、子どもたちは楽しい時間を過ごしている。

 コさんは、「元来朝鮮民族はひとつの国で幸せに暮らしていた。この子どもたちの代には統一した祖国で暮らせる状況を作ってあげたい」と話していた。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2004.1.17]