東京朝高 第6回特別授業 東京・人権協会、科協共催で |
東京人権協会と科協東京による特別授業が11月27日、東京朝鮮中高級学校(北区)で行われた。同胞専門家、研究者たちがそれぞれどのような活動、研究を行っているのか、具体的な話を聞くことによって、生徒たちの学習意欲を高め、今後目標をもって学業に取り組むきっかけを作るのが目的だ。これまでは科協東京のみ行ってきたが、6回目となる今年は東京人権協会との共催でより幅広い内容となった。(崔良先記者)
今回、人権協会から金舜植弁護士、成基香臨床発達心理士ら3人、科協から蔡晃植東大農学博士、尹祐根東北大工学博士、金昶基氏(東大大学院)、朴純枝氏(東大大学院)、高英淑氏(横浜国立大大学院)の5人が特別授業を行った。対象は高1生徒。45分間の授業を2回行った。 同校出身の金弁護士は、「枝川ウリハッキョ裁判を機に新たな民族教育権の獲得運動へ〜朝高出身弁護士としての思い〜」と題し、裁判に携わりながら感じた@民族教育権獲得運動を進めるうえで必要な新たな視点A同胞弁護士としての使命と役割、その可能性などについてわかりやすく説明した。 「ドラえもんの作り方」と題して講義したのは尹祐根博士。ドラえもんは2112年生まれのネコ型ロボットなので、誕生するまで後118年ある。「今の技術では、どういったドラえもん(ロボット)を作ることができるのだろうか」と問い、資料やOHPを通じて世界最先端のさまざまなロボットやその研究などについて紹介した。 成基香臨床発達心理士は、「障害児教育と同胞障害者たちの実態」について。運動機能の発達、知能機能の発達、学習能力の発達−など発達の種類などについて述べた後、「人間は環境がないと発達しない。障害があっても環境を整えればある程度発達する」などと説明した。 また、同胞障害者とその家族のネットワークである「ムジゲ会」やTutti活動での経験についても言及し、「何にでも興味を持って意欲的に取り組むことが大事。そういう過程の中で得意なこと、やりたいことを見つけることができる」などと強調した。 「私たちの生活の中の化学(有機合成に関連して)」と題して講義した高英淑さんは、「人とのコミュニケーションをうまくとろうと思ったら、多方面的な知識を身につけるべき」「要はやるかやらないか。やる気さえあればどんな環境も乗り越えられる」「在日という立場でどう活躍していくかをよく考えて一生懸命取り組んでほしい」と朝大卒業生ならではのメッセージを送った。 生徒たちはさまざまな内容の授業に刺激を受けた様子で、「はじめて聞くことだらけでわからない部分もあったが、楽しかった」「それぞれについての説明だけでなく、『夢に向かってどう進んでいけば良いか』というのも教えてもらい、とても参考になった」「努力が大事だと実感した」などと感想を述べた。 進路指導の一環として行われてきたという特別授業。「生徒たちの選択肢が広がってくれたら。父兄にも参観してもらえるようにしたい」と教員らは話す。 同校では、これからもスポーツ選手や芸術家など、多方面で活躍する同胞たちを迎え、特色ある教育を推し進めていくという。 [朝鮮新報 2004.12.11] |