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保育士資格試験、在学中の受験可能に 背景に大学受験資格の弾力化

 朝大在学時における、保育士資格取得の道も開けた。厚生労働省が2003年10月22日付けで出した各都道府県民生主幹部(局)長あての通知「福祉分野における各資格の受験資格等に係る各種学校の入学資格等の取扱いについて」で、各各種学校において、独自の審査により「高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者」も、保育士資格の受験資格を有する者として取り扱うことができるとしたからだ。

 すでに文部科学省は国立大学入学資格の弾力化にそって、朝高出身者を「日本の高等学校を卒業した者と同等の学力がある」かどうかの判断を各大学の裁量にまかせており、厚生労働省による今回の通知によって、保育士など福祉分野においても朝鮮学校出身生の資格試験の受験が可能になったのだ。

 これまで保育士資格試験の受験資格は、厚生労働省の「児童福祉法施行規則第6条の9」に該当する者に与えられてきたが、その第4項には「学校教育法による専門学校の専修課程、もしくは各種学校を卒業した者、あるいは最終学年に在学している者」に受験資格が与えられることが明記されている。これをあてはめれば、東京都が「各種学校」であると認めている朝鮮大学校の卒業生および卒業見込みの在学生には当然受験資格が認められることになる。

 にもかかわらず厚生労働省の委託を受け試験を管理してきた各都道府県では、朝大は「各種学校」ではあるが、「学校教育法第56条第1項」に規定される学校、すなわち日本の高校の卒業生をその主な入学対象とするものではないとの理由から、在学中の資格試験受験を許可してこなかったばかりでなく、卒業生に対してもさまざまな審査を求めるなどハードルを設けてきた。

 しかし今回、教育分野における総聯組織と同胞たちの全国的な権利運動の盛り上がりと、それによる権利拡大の流れの中で、朝大教育学部保育科(他学部でも可)学生の在学時の資格試験受験が認められる方向となった。

 保育科では、今年4月から保育原理や児童福祉、社会福祉など保育士資格試験の試験科目をカリキュラムに導入。保育士試験の模擬テストなども課外で行う予定。

 また、保育士養成において実績のある、隣接する白梅学園短期大学から講師を招くなど、専門学校とほとんど変らない学習環境を整えている。保育士試験を受けられるようになるのは現在の1年生からで、試験は来年8月に行われる。

 同学科の慎栄根主任は、「閉ざされていた扉が開かれた状況の中で、これからの課題は一人でも多くの合格者を出すことだ」と語った。

[朝鮮新報 2004.11.20]