〈新校舎完成した九州朝鮮中高級学校、北九州朝鮮初級学校〉 朝鮮と日本のかけ橋に |
「新しい学校が日本と朝鮮のかけ橋になればいいですね」。4月25日、九州朝鮮中高級学校、北九州朝鮮初級学校(福岡県北九州市)竣工式の取材に訪れた地元テレビ局の記者はこう述べた。天候にも恵まれ2600余人が訪れた式典には、250余人の各階層の日本人も祝福に駆けつけた。 「朝鮮学校を支える会」 福岡地域には、2000年11月に結成された「北九州朝鮮学校を支える会」、03年9月に結成された「福岡県朝鮮学校を支援する会」がある。
02年の小泉訪朝以降、同胞社会を取り巻く環境が依然として好転しない中で、朝鮮学校を守り民族教育を発展させていくためには、日本市民の理解と協力が不可欠だ。 朝鮮学校の存在を一般市民に知らせる目的で結成された「支える会」。当初、10人だった会員も500人に増えた。朝鮮学校の授業参観、年間1口1000円募金運動などを行っている。 一方、「支援する会」は、@教育助成金の増加(私立学校水準)A寄付金の税制上の優遇措置B改善補修などの補助金給付C各種国家試験資格の付与―などを政府や行政に要求し実現することを活動方向に定めている。 竣工式では「支える会」「支援する会」双方の代表が壇上に立ってあいさつした。 「支える会」の服部弘昭会長は、朝鮮学校の生徒たちに、@楽しく元気に勉強して遊んで大きくなってほしいA世界のどこでも通用する大人になってほしいB日本と朝鮮の平和と友好の礎になってほしい−との願いを託した。 大連の朝鮮族も
大分県日田市には、日本の学校に通う同胞生徒、日本人生徒を対象にした民族学級がある。今は残念ながら同胞生徒はいないが、隣国や在日同胞社会の事をもっと知りたいという日本人生徒らが放課後、チャンゴや朝鮮語を学んでいる。この運営にあたっているのが「ムジゲの会」。渡辺茂則会長を含むメンバーらも日田市からやってきた。日本人生徒らがサムルノリを披露するなど、式典に花を添えた。 「日田の川開きの時には、福岡の朝鮮学校の子どもたちが友情出演し朝鮮舞踊を踊ってくれる。今日はそのお返しです。…立派な校舎なので驚いた。朝鮮学校はこれから日本の国際化の拠点になるのでは」と渡辺会長は感想を語った。 総連小倉支部国際部長の李成根さん(非専従、50)は、「3、4世はもちろん、これからの世代は日本の社会で生きていくのが前提。日本社会で認められ自立していける教育、日本人と融合し和合できる教育が必要だ」と強調した。 北九州市は中国の大連市と姉妹都市関係を結んでいる。その関係からか、桂永梓校長はじめとする4人の大連市朝鮮族学校関係者もはるばるやってきた。 「この学校で学ぶ生徒のみなさんがすばらしい人材になると信じている。日本と中国、朝鮮3国の末永い友情を祈念します」と桂校長は感慨深げだった。 北九州市が積極的措置 「新校舎の建設は北九州市の積極的な措置と援助なくしては考えられない」。総連中央の徐萬述議長もあいさつでこう述べたように、今回の九州中高、北九州初級と付属幼稚班の校舎そのものが、地元の朝・日友好のシンボルになることはまちがいない。(文聖姫記者) [朝鮮新報 2004.5.8] |