佛教大学で京都市内の公立小学校と朝鮮学校の交流会「ユーアイスクエア2004」行う、今年で5回目 |
京都市内の公立小学校と朝鮮学校との交流会である「ユーアイスクエア2004」(主催=ユーアイスクエア2004実行委員会)が2月28日、佛教大学で行われた。京都第1、2、3初級とそれぞれに交流している楽只、鷹峯、梅津、松尾、伏見南浜の5つの市立小学校が一堂に会し、「異文化理解を進めること、民族や国籍を超えた友情を育むこと」を目的に始まったもので、今年で5回目。この日は、京都第1、2、3各初級と舞鶴初中の朝鮮学校4校と日本の小学校15校、京都インターナショナルスクールの計20校、約400人の生徒たちが参加し交流を深めた。 朝鮮料理を楽しむ
「アンニョンハシムニカ!」「こんにちは!」「Hello!」 互いの国のあいさつ言葉を練習し合う声が会場いっぱいに響く。開会宣言のあと、京都第2初級のサムルノリ演奏と嵐山東小学校の和太鼓セッションや映像を通じた各学校の紹介が行われた。 つづいて「ふれあいタイム」。生徒たちは、それぞれの名前などが書き込まれたカードを交換しあい、名前を覚えたりしながら徐々に緊張を解きほぐしていった。 昼食時間には「おいしい!」とトックやチヂミ、キムチなどの朝鮮料理をほおばり、チャンゴ、ノルティギ、チェギチャギなど朝鮮の民俗遊びを楽しんだ。エンディングでは、「世界中のいろいろな人と手をつなごう」と願いを込めたテーマソングと、50のパーツが一つの絵になるユーアイマークが披露された。 京都第1の呉淑姫さん(初5)は、昼食時に隣に座った日本の友達を見ながら「仲良くなれてとてもうれしい」とニッコリ。鷹峯小学校の二瓶菜月さん(小4)も、「朝鮮の楽器も弾けたし、いろんな遊びもできて楽しかった」と微笑んだ。 京都第2の金志成教務主任は、「参加校も毎年増えて輪が広がり、生徒たちの視野を広げるいい機会になっている」と話す。 市、市教委も後援
「朝鮮学校と日本の教職員らの地道な交流によって規模が拡大していった。人権教育や国際交流学習の基盤作りのためにもこういう機会をどんどん増やしていきたい」(京都第2の呉成元校長=副実行委員長)。 第2回までは公立小学校の体育館を会場としていたが、第3回からは佛教大学に会場を移した。 今回、京都インターナショナルスクールが参加したが、フランス学院、中国民族学級にも参加を募った。企画、運営を参加校教職員が担っていた2回目までとは異なり、3回目からは佛教大学教育学部の学生らが企画を始めた。今回は101人の学生らが携わるなど、年々規模も拡大している。 佛教大学、朝鮮学校、市立小学校などで構成される実行委員会が2カ月にわたって準備を進めてきた。朝鮮学校のオモニ会とPTAは、「食」を通じての交流と称して、トックやチヂムなどを生徒たちに振る舞った。材料費はオモニ会でまかなった。 京都第2初級オモニ会の盧貞美会長(39)は、「この行事が、行政が朝鮮学校に目を向けてくれるきっかけになれば」と話す。 昨年からは京都市と同市教育委員会が後援を始めるなど、学生、教員、保護者の3者が連携した「多文化共生」取り組みへの重要なイベントとなっている。 ボランティアとして携わった佛教大学教育学部3回生の中村里佳さんは、「日本にはいろんな民族の人が住んでいるということを小さいころから認識するためにも、この行事はとても重要」と感想を述べた。 実行委員長を務める、田中圭治郎佛教大学教育学部長は、この取り組みに対しては文部科学省からも高い評価を得ていると話しながら、「今後も、多文化共生の取り組みの一環と位置付け、日本学校と朝鮮学校、他の外国人学校も含め、異文化理解教育をアピールする場にしていきたい」と語っていた。(金明c記者) [朝鮮新報 2004.3.6] |