〈民族教育協議会第7回会議〉 5つのテーマ別に討議 |
2001年5月の総連第19回全体大会で明らかにされた、総連中央常任委員会の諮問の場である「民族教育協議会」(会長=在日本朝鮮人教職員同盟中央本部の蔡鴻悦顧問)が発足したのは02年11月9日。同協議会は、各階層同胞から幅広く収れんした意見を総連20全大会での民族教育の方針樹立に役立てていくのが目的だ。その第7回会議が14日、東京都北区の東京朝鮮中高級学校で行われた。会議では総連中央が諮問した5つのテーマ別に討議が行われ、総連中央常任委員会に提出する建議案に補充する内容などについて意見交換が行われた。協議会では来月中に最後となる第8回会議を開き、建議案をまとめる予定。(金明c記者) 委員らの意見収集、検討資料作成 協議会では2カ月に一度協議を重ねてきた。
総連中央が同協議会に諮問したテーマは、@朝鮮学校教員の質的水準を高め、彼らの待遇を改善するための方策A民族教育の権利を拡大する運動を繰り広げ保護者の経済的負担を軽減し、民族教育をめぐる有利な環境を整えていく方策B変化する環境に見合う学校教育網の再編成、とくに高級学校学区網を再整備し、特色と魅力あふれる学校に作るための方策Cすべての同胞の子どもたちに対する民族教育の保障措置とその対策D在日同胞の子どもたちの民族性を育むための学齢前教育、とくに幼児教育と幼稚班教育を実施する方策―の5つ。 第1回会議では、会則、今後の運営、諮問内容などについての討議が行われた。 以後の2〜6回会議では、民族教育のあり方やビジョン、教員養成と再教育制度の充実、各種公的助成金獲得を始めとする権利拡充のための対策や提言を討議し、学父母たちの学費負担、教員たちの構成などの統計資料に対する解説も行われてきた。 5回会議は、4つの分科・テーマ別に東京と大阪で討議が行われた。事務局ではこれまで委員たちが提起した意見を収集し、6回会議で提起する建議案準備のための検討資料を作成した。6回会議では、作成された検討資料をもとに委員らが提起した内容を確認し、意見交換を行った。 財源確保のため全同胞で運動を 6回会議まで討議された内容を踏まえて開かれた7回会議では、さまざまな意見交換と提議がなされた。 テーマ1の教員の質を高める問題に関して、委員からは「教員の質は、その大半を輩出している朝鮮大学校の学生の水準につながる。朝大の質を向上させるための論議を単独で行い、研究課題とするべきだ」「教員たちのウリマルの水準を高めるために、言語学を専攻する朝大の教員たちで研究を進め、全国で一般化する体系を作ってみてはどうか」などの意見が出された。 教員の待遇改善問題に関連しては、当面、一部の朝鮮学校に残っている給与の未払い金を最優先に解決しながら、段階的に教員の給与を上げる目標を設定し、その財源を確保するさまざまな方策と取り組みが必要とすることなどが提起された。 この問題について委員らは、「各地域に任せていては解決は望めない。全国の同胞らを巻き込んで運動を推し進めていく必要がある」としながら、「同胞たちも民族教育に関しては協力を惜しまないはずだ」と指摘した。 テーマ3の学校教育網の再編成問題に関して、委員からは「各地域でじっくりと研究、合意する必要がある」との声もある一方、「今後、統廃合しなくてはならないのは明確なこと。どの学校を統合すべきなのか、ある程度明確にしたほうが良いのではないか」との意見も出た。 テーマ4では、同胞の子供の多くが日本学校に通っている現状から、民族学級や土曜児童教室の重要性も確認した。 大阪の委員は、民族学級の数自体は増えているとしながら、「日本の小学校に通う同胞生徒らの70%が日本国籍のため、対象者を探すこと自体が困難だ。設置されたのはいいものの対象者が少ないため、なくなる可能性がある学級も少なくない。各地域の実情にあった対策を盛り込むべきだ」と心情を語った。 「民族学級の設置に関しては大阪の活動から学ぶべきだ。現場を直接見て講義を受け、設立のためには何が必要なのかを知ることが重要だ」との意見も出された。 第1回会議から6回会議の開催日は次の通り。 第1回会議(発足集会):02年11月9日 [朝鮮新報 2004.2.24] |