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〈ウリハッキョでの新しい保健教育-下-〉 医協の役割高め性教育、禁煙教育を実施

ウリハッキョの場合

 日本の健康教育を見ると、最近保健教育を小学校では3学年から始めるとの変更がなされた。ウリハッキョにおいても日本の保健学習の内容を参考にし、その実情に応じた方針が出されている。

 一方、ウリハッキョでの健診と健康教育の現状はというと、昨年度の定期健診状況を実情調査票の集計に基づいて見ると、73校中68校で実施されており、多くの同胞医療人と日本の医療人も協力し参加して頂いた。歯科検診は、約50%の学校で行われているにすぎない。学校保健の内容充実には今後より多くの同胞医療人に呼びかけ参加してもらうことが重要だと思う。

 また、民族教育を直接担っている教職員たち自身の定期健診の現状だが、年1回の集団健診さえ37.2%で、57.2%は健診を受けていない状況である。今後もっと取り組まねばならない課題だと思う。

 ウリハッキョでの健康教育にも最近、より多くの関心が寄せられ保健担当教員らのねばり強い努力によって03年3月新しい保健教育カリキュラムが決められた。保健授業も各学年での決められた時間を保障するというカリキュラムとなっている。初級部3、4年の保健では1日の生活と健康、成長してゆく体についての内容となっており、5、6年では、事故の防止と心の健康、病気の予防についての取り組みがされるようになっている。

健康教育

 いま民族教育の現場に保健担当者をはじめ教員の皆さんが新しい健康教育実施に向けてさまざまな提言をしている。

 その内容は@保健担当教員のための交流会A新しい保健教科書消化のための知識、技能B専門者、看護師らの授業出演C定期検診の事後措置など提言されており、私たち医協全員の積極的参画が期待されていると思う。地域ごとに学校保健委員会を組織し、学校保健担当教員との定期的な会合を持ちながら、私たちの役割を高めてゆくこと、その過程で学校教育にも参画することが要求されている。

 例えば積極的にウリハッキョの保健学習に参加している兵庫支部の姿勢を私たちは参考にしていきたいと思う。

 数年来の医協学術報告会の発表にあったように性教育や禁煙教育、健康に関する課題をもって保健学習の一翼を担っているわけである。特に03年は性教育を授業参観の日に4校において実施、オモニたちの意見を聞いたということである。

 健康教育については初級部の1〜6年生からアンケートをとり、その中から来年度のテーマを設定し、低学年用と高学年用の指導要綱を作成するなど積極的な取り組みをしている。他の地域においても兵庫支部のような取り組みを今後展開していくことを期待したい。

まとめ

 最後にまとめとして〈健康に関する教育〉の登場をいま強く迫っている要因3つについて強調したい。

 第1に生涯学習時代の到来、第2に健康問題、疾病の変化、第3に健康観の転換と考えられている。

 近年の健康に関する新たな課題に適切に対応し、生涯を通して健康で安全な生活を送ることができる能力や資質を身につけるようにするため、初、中、高級部各段階の学校保健、健康教育が重要であり、私たち医協も積極的に参画してゆくことが要望されていると自覚し、中央保健委員会としてさらなる努力を傾けたいと思う。(辺秀俊、朝鮮学校中央保健委員会責任者)

[朝鮮新報 2004.1.16]