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いつもの「停電」と温かさ

 年末の平壌ホテルで、またいつもの2日間の「停電」を体験した。

 平壌で行われる「学生少年らの迎春の集い」に参加するため、毎年この時期に在日朝鮮学生少年芸術団が祖国を訪問するが、その2日前から、ホテルではいっせいに電気が止められる。配線の整備を行うとともに、停電になった際、自家発電機への切り替えが正常に行われるかなどをチェックするためだ。

 寒さと断水などの不便は、慣れない人にとってはとてもこたえるものだ。

 しかし、ホテルの従業員らは、「停電」中でも大掃除を行うなどして一行を受け入れるための大がかりな準備をしていた。

 一行がホテルに到着してからは、各階管理員のオモニたちが彼らの生活に不便がないよう交代でホテルに泊まり込むなど、あらゆる便宜の保障に余念がない。

 一方、生徒らは従業員の苦労も知らずに、大はしゃぎ。中には、「ピンポンゲーム」(部屋のベルを鳴らし人が出てくるのを待っては逃げる遊び)に明け暮れるいたずらっ子もいた。それでも従業員は生徒たちに温かい視線を送っていた。

 5階担当の40代の管理員は、「日本で反共和国、反総聯キャンペーンがいつになく激しく繰り広げられている中、朝鮮人としてたくましく育っている生徒らが自分の子どものように愛らしい」と語りながら、「生徒の父母らは、1カ月以上も親もとを離れ慣れない生活をする子どものことが心配でたまらないでしょう。だからこそ、『平壌のオモニ』たちが精一杯がんばっていると伝えてください」と話していた。

 今、祖国の指導員、公演スタッフ、ホテル従業員が一体となって生徒らを支えている。

 平壌到着から2週間が過ぎ、旅行気分から一転、生徒らは芸術公演の準備に連日励んでいる。夜もホテル内は、公演の練習をする生徒らの活気にあふれている。(姜)

[朝鮮新報 2004.12.25]