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市民に人気の「低い頭」

 4日から初めて平壌での記者生活がスタートした。過去4回、朝鮮を訪問したが、今回は記者として入ったため、行くところ、見るもの、出会う人などすべてが変わって見えている。これから先、どんな事が待ち受けているのか期待がふくらむ。

 滞在2日目、事務所内で先輩記者が平壌新聞を机の上に置き、「これを読んでみろ」と一言。そこには「髪型をどのようにしているかによって、その人の人格と品位を見ることができる…市民たちの間で流行している男性のさわやかな髪型、女性の短い髪型は時代的美感、民族的情緒によくマッチする…」という内容の記事が書かれていた。

 「なぜこの記事を自分に?」

 「ここでは長い髪のことを『高い頭』と言うんだよ。『低い頭』、いわゆるスポーツ刈りのような短い髪にしないと」(先輩記者)

 現地のテレビはモデルまで登場させてどのような髪型が理想なのかを放送するほど。

 これは国をあげての一大キャンペーンで、髪型だけでなく服装もきれいに整えることを奨励している。これに青年たちが積極的に取り組もうというものだ。

 現地スタッフも、「その頭じゃ取材できないよ。さっそく散髪にいこう」と冗談交じりで話す。言われるがまま平壌ホテル内の床屋へ。「よし、十分短い。これでいいだろう」と事務所へ戻った。「その長さじゃまだだめ。初めてだから理髪師が気を使ってくれたんだよ」と先輩記者に一蹴された。

 取材する際、相手に与える第1印象はとても大事だ。現地の人の気持ちや生活習慣などをいち早く感じ取り自分のものにする過程で、いい取材ができるという先輩の配慮なのだろう。

 「またすぐに床屋に行かなくては…」

 その後の髪型を想像してみる。見慣れるにはまだまだ時間がかかりそうだ。(c)

[朝鮮新報 2004.12.14]