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男40代の心意気

 40歳以上の在日同胞サッカーチームが快挙を成し遂げた。「日本スポーツマスターズ大会2004」サッカー競技で優勝した高麗サッカークラブ。

 「自分たちは在日同胞の代表」「朝鮮高級学校時代の雪辱を果たした」。これは取材をしながら印象に残った言葉だ。

 高麗SCは1970年代、数々の強豪校を倒し「幻の日本一」といわれた東京朝鮮高級学校サッカー部員、全盛期の在日朝鮮蹴球団、各地の朝高、朝鮮大学校で活躍した選手らで構成されている。20年以上の伝統と実績があるチームで、01年から4年連続で東京都大会で優勝、関東大会にも連続で出場した。

 全国大会のスポーツマスターズには02年に3位、そして今大会でその雪辱を果たした。彼らは、日本の公式戦に出場できず苦汁をなめた日々を忘れなかった。

 名門の帝京が練習試合で東京朝高の胸を借りて強くなったという話は有名だ。

 準決勝戦前夜、共に食事しながらアボジたちの「武勇伝」ばりの話を聞いた。

 「本当に昔は敵なし。帝京、習志野、国体選抜にも余裕で勝ったんだから」。名門校に勝った話、活躍の場がなく悔しい思いをしてきたことなど…。サッカーに対する情熱が誰よりも強いことを再確認した。

 優勝し、晴れ晴れとしたアボジらの表情の裏に隠された思い。それをすべて言葉では表現できない。

 アテネオリンピックにアーチェリー日本代表として出場した40代の山本博選手が銀メダルを獲った。その活躍の感想を街頭インタビューするあるテレビ番組での一言が頭をよぎった。「いやー、本当に中年の星ですよね」。

 高麗SCが「在日の中年の星」なんて言うと少しおおげさかもしれない。しかし、「在日の代表」と自覚するアボジたちの気持ちは同胞社会の一端をしっかりと支えている。その心意気は10年、20年後も色あせることはないだろう。(c)

[朝鮮新報 2004.10.5]