「在日同胞敬老の日」 各地で同胞高齢者を慰労 |
20日の「在日同胞敬老の日」にちなんで、各地で同胞高齢者を慰労する集まりが開かれた。孫の世代にあたるウリハッキョの生徒たちが歌や踊りを披露するなど、ハラボジ、ハルモニたちを慰労した。 大阪・西成−歌って踊って盛り上がる
総連大阪・西成支部の「敬老の集い」(主催=総連、女性同盟支部)が19日、大阪市西成区の長橋集会所で行われ、同胞高齢者約30人が参加した。 数年前までは商工会などが中心となって、大々的に催していたそうだが、最近は分会などで弁当を作り、高齢者の家に持っていくなど、より身近な形でのお祝いに変わってきている。この日は一人暮らしの高齢者らがひとつの場所に集まり、おいしい食事や談話を楽しんでもらいたいとの趣旨でこうした集いとなった。 「1世たちの笑顔が力になる」という女性同盟のオモニたちがチラシを作成し、高齢者をはじめとする地域同胞に参加を呼びかけてきた。高齢者たちが階段の上り下りをしなくてすむよう、平屋の集会所を借りた。 集いでは、呉信浩・ 総連支部委員長のあいさつに続き、女性同盟が準備した焼肉、チャプチェ、餅など朝鮮料理を楽しんだ。「おいしいねぇ」と舌鼓を打つ参加者たち。会場に流れる軽快な朝鮮の音楽も雰囲気を盛り上げた。 食事後、朝鮮学校生徒の南での公演模様がビデオで流れるとみんな画面に釘付けに。サンモを回す生徒を見ながら一緒に頭を振るハルモニの姿もあった。 ビールを飲みながら久しぶりの再会に話を弾ませるなど、参加者たちは思い思いの時間を過ごした。 終盤は歌で盛り上がった。リクエストに応じて朝青の韓昌秀・総務部長が「朝鮮大学校校歌」、女性同盟のオモニたちが「われらの誇り限りない」を披露すると、それに合わせてオモニ、ハルモニらをはじめ参加者たちが輪になりオッケチュムに興じた。 「ビデオで生徒たちの華やかな衣装を見たらチョゴリが着たくなった。今でも似合うかしら」と照れながら話すのは女性最年長の趙貴男さん(92)。「今日は楽しいひとときを過ごせた。たまにはみんなの顔を見ないとね」と喜んでいた。 西成に住んで45年になるいう白道順さん(76)は、「ここに集まった高齢者たちはみんな熱誠者。苦しい時を共に乗り越えてきた。ひさしぶりに顔を見たら安心した。とてもうれしい」と目を潤ませながら語っていた。 韓昌秀・総務部長は、「朝青員をたくさん動員して、これからも踊って歌って過ごせる場を作っていきたい」と力強く語っていた。(良) 大阪・八尾柏原、デイハウス「八尾サランバン」−食事とお茶で誕生祝賀会
総連大阪・八尾柏原支部の高齢者福祉デイハウス「八尾サランバン(愛の家)」で17日、高齢者の誕生祝賀会が開かれた。 2001年に同支部に設けられたデイハウスには月〜金曜日の週5日間(午前10時〜午後4時)、平均10人の高齢者が訪れ、食事、映画、カラオケ、絵画などを楽しみ一日を過ごしている。 敬老の集いも兼ねて行われた誕生会には、10人の高齢者が訪れた。 誕生日を迎えたのは金玉順さん(83)と金明子さん(76)。準備された名前入りの大きなケーキを見てニッコリ。「センイルチュッカハムニダ〜」の歌に合わせ、ローソクを吹き消すとまたまたニッコリ。「今日はみんなの誕生日や〜」と他のメンバーたちも大喜びだった。
ほのぼのとした雰囲気の中、参加者たちは手作りのちらし寿司やキムチ、ビールを味わった。 食事後のお茶会でケーキをほおばったあとはみんなでボール遊びを楽しんだ。杖をパターにしてアルミ缶を横に倒しボールを入れる「即興パターゴルフ」も大盛況。ボールが予想もしなかった場所に飛んでいったり他の人の足に当たるたび、爆笑の渦。時間が過ぎるのも忘れるほどの熱の入れようだった。 カラオケでは1人ずつ美声を披露。歌い終わるたびに「チョアヨ〜」と歓声が上がった。「アリラン」「ノドルの川辺」など朝鮮の民謡に合わせてオッケチュムに興じるハルモニたち。「サランバン」は終始、笑いにわき、にぎやかだった。 「ここに来なきゃ家に閉じこもってばかりや」と話す金玉順さんはほぼ毎日訪れているという。「ほんまに気軽に楽しめる場所や」。 13年間、山本分会(当時)の分会長を務めたという金明子さんは、最近はあまり足を運んでいなかったと話しながら、「ここに来たら体の痛みが取れたようや。ええ気分転換になったわ。楽しい誕生会やった」とほほ笑んだ。(先) 川崎・南武初級生徒、「アリランの家」を訪問−民謡とサムルノリ披露 南武初級の4〜6年生の生徒らが21日、「アリランの家」(神奈川県川崎市)を訪問し、朝鮮の民謡やチャンゴを披露するなどして約20人の同胞高齢者たちと交流した。 「アリランの家」は2003年4月から運営されている同胞高齢者のための福祉施設。朝鮮の歌や踊り、チャンゴなどを楽しむカルチャーセンターとしての側面も担っている。 生徒たちは照れくさそうにしながらもオッケチュムに乗って、朝鮮の民謡などを披露した。とくに、サムルノリはハラボジ、ハルモニの拍手喝采を浴びた。 生徒たちは、ハラボジ、ハルモニたちが守ってくれたウリハッキョで学べる喜びを歌にし、「一生懸命学んで立派な朝鮮人として生きていく」ことを誓っていた。 公演後には交流会が行われ、「アリランの家」で朝鮮語と朝鮮の歌を学んだという金高峰さんの歌声に合わせて、全員で「故郷の春」を合唱する一幕もあった。 「どうやって日本に来たのですか?」「その時はどんな気持ちでしたか?」「どんな仕事をしていましたか?」といった生徒らの質問に、ハラボジ、ハルモニたちは丁寧に答えていた。 総連川崎支部の梁萬寿顧問は、祖国があることの重みを強調しながら、「祖国と民族に貢献できるようにたくさん学んでください」と語った。 南武初級の朴香純さん(初6)は「公演を見て喜んでくれたのがうれしい」。孫熙永さん(初5)も「始めは緊張したけど楽しく過ごせた」と述べ、朝鮮と在日同胞の歴史をしっかり学びたいとそろって決意を新たにしていた。(泰) [朝鮮新報 2004.9.27] |