現実とのギャップ |
最近、平壌でもおしゃれに気を使う女性がとても増えている。滞在中、よく平壌ホテルの若い女性従業員に「今日美顔室に行ってきたんですけど、どうですか?」と聞かれた。 美顔とは日本でいうエステのことで、蒼光院やホテルの美容室などに設けられている。 設備も本格的で、ブラシや噴霧器、低周波やオゾンを放出する機械も備えられている。美顔師(エステティシャン)も平壌商業大学や医科大学、軽工業大学などで学び、専門的な知識を習得したプロたちだ。 訪ねてくるのは中年女性よりも若い女性が多いとのことで、美顔室の前はいつも女性たちが長蛇の列をなしている。平壌に限らず、各地方にも設備の差こそあれ、こうした施設は備えられている。 服装も華やかで明るい色のワンピースを着こなし、ハンドバッグを片手に颯爽と闊歩する女性も多い。 先月27日から平壌を訪問した「朝鮮半島を戦場にさせない! 04女性のピースライン訪朝団」の団長を務めた清水澄子・朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会代表も、「女性がとてもおしゃれになり、活気に満ちていた」ことがもっとも印象に残ったという。清水氏は、「精神的ゆとりがなければおしゃれはできない。『苦難の行軍』を乗り越えてこれからやるぞという意気込みを感じることができた」と語った。 団の中には初めて訪朝するメンバーが52人のうち30人いたが、一様に「日本のメディアが言っていることとは正反対」と現実とのギャップに驚きながらも、日本に帰ったら朝鮮の本当の姿を一人でも多くの人に伝えたいと言っていたそうだ。 日本のメディアは最近、中国での「脱北者突入事件」をクローズアップし、あたかも朝鮮が崩壊するかのように報道している。これではいつまで経っても朝・日の溝は埋まらない。(松) [朝鮮新報 2004.9.14] |