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日本人との触れ合いを

 ずっと朝鮮学校に通っていた若い人の中には、日本人と深く接する機会が少なかった人も多いのではないだろうか。筆者もその一人。大学卒業後、いろんな日本人と出会い初めて気づいたことも多い。

 今夏、取材先で多くの日本人と出会った。スポーツ関係者、記者、市民運動家など、みな親切で好感の持てる人ばかり。在日朝鮮人に対する理解も深い。

 反朝鮮の風が吹き荒れる中、彼、彼女らの存在はとても励みになる。テレビのニュースや週刊誌に頻繁に登場する「北朝鮮専門家」とは正反対だった。

 島根で行われたインターハイのウエイトリフティング大会では、地元の日本の高校生にお世話になった。人を探して尋ねると、彼は炎天下の中、運動場を全速力で走っていって本人を連れてきてくれた。

 山梨で行われた全国中学校サッカー大会では、大阪市立城東中サッカー部の監督、部員らと出会った。大会に出場した東大阪中級サッカー部を応援するため、大阪から駆けつけた。

 東京で行われたとある集会では、「無職の活動家」と出会った。公務員をやめ、アジアの平和と友好を願う運動家になったそうだ。拉致問題が発覚した以降のメディアの狂乱的な偏向報道にはうんざりだという。

 舞鶴で営まれた浮島丸事件の犠牲者追悼会や、祐天寺で営まれた朝鮮人戦争犠牲者追悼会は、毎年多くの日本人が参列し、惜しまず協力してくれている。

 彼、彼女らのような日本人に共通するのは、在日朝鮮人と触れ合った経験があったことのようだ。スポーツや文化交流、地域での交流をきっかけに在日朝鮮人と出会ったことで、メディアが垂れ流す情報との違いを肌で感じ、分け隔てなく付き合ってきたのだ。

 身近な日本人ともっと積極的に触れ合い、地道に交流していくことが必要だと改めて感じた。一つ一つの出会いを大切にしていきたい。(泰)

[朝鮮新報 2004.8.31]