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南の人々の「変化」

 「最近は南の農民も、自分たちの暮らしがよくならないのは米国のせいだということに気付き始めた。だから私たちにとっての統一とは、政治的なものではなく生活と密接につながったものだ」

 金剛山で6月末に行われた北南農民大会に参加した南の農民はこう語った。

 6.15共同宣言発表後、北南間での往来はひんぱんになり、とりわけ北を訪問する南の代表団の数は相当数に上る。

 北を訪れた南の代表団を取材しながら思うのは、彼らの言うことがかなり変わってきたということ。

 「あなたの行動は怪しい。もしかしたら、国情院の人間じゃないの?」などと、冗談半分で言い合う若い女性などを見ると、逆にこちらがハラハラするくらいだ。

 北南行事では常に公演がつきものだが、そこでも南のアーティストたちは統一をテーマにした歌を声高らかに歌う。

 「10年一昔と言うが、6.15前には南の人が堂々と統一の歌を歌うなんて想像もできなかったこと。それだけ統一が近づいてきた証なのでは」と、北の人たちも南の人たちの「変化」に驚いている様子だ。

 こうした流れに沿うように、南の国会では今月末から「国家保安法」の改廃論議が本格化する見込みだ。

 その一方で、西海での「侵犯事件」ねつ造や、金日成主席の10周忌に際した民間追悼団の平壌訪問の妨害、「脱北者大量移送」など、反統一勢力の動きも活発になっている。

 しかし、6.15からこんにちまで広範囲にわたって行われてきた北南間交流によって、人々の心の中にあった「壁」はほとんど取り壊されつつある。

 来年は解放60周年であると同時に分断60年でもある。分断の悲劇をこれ以上長引かせないためにも、来年は人々の心の「壁」同様、北南間のあらゆる「壁」を乗り越えるきっかけを作る年になればと思う。(松)

[朝鮮新報 2004.8.10]