〈20全大会方針−いかに遂行するか〉 総連中央各局長に聞く |
5月末に開かれた総連第20回全体大会では、在日同胞社会を取り巻く環境が大きく変化していることを受けて、3年間に遂行すべき方針が示された。それをいかに実行し、在日朝鮮人運動を発展させるかは、活動家たちの力量にかかっていると言える。今大会で選出された20期総連中央の各局長にインタビューし、朝鮮語版に掲載した。その内容を要約して紹介する。(文聖姫記者) 新時代の要求、同胞の志向に沿った教育事業を 今大会では民族教育の重要性を再確認し、民族教育重視方針をさらにはっきり示した。 (今後3年間の主な課題として)大会では大きく3つの問題を決定した。第1に、民族教育事業を新時代の要求と同胞の志向に沿ってより強化発展させること。この点については、大会決定の要求に合わせて、教員養成と現職教員の再教育を制度化していくことに力を注いでいきたい。 そして、初中級学校の実効性ある民族性教育の実施、朝高教育で質と実効性を高める、民族人材育成基地の位置に合わせて朝鮮大学校教育を強化する問題など、民族教育を段階ごとの特性に合わせて発展させていきたい。 第2に、民族教育を全機関的、全同胞的に支援する事業を力強く繰り広げていく。 第3に、準正規教育体系をよりしっかり整えていく。総連中央に準正規教育担当の専任を置き、課程案と教材の提供、教員の養成と配置など統一的な指導を保障していく。(趙澣柱教育局長) 民族文化普及の拠点設け、新たな段階へと 総連は結成以来半世紀近くにわたって、民族文化活動を力強く繰り広げ、経験も積んできた。そうした経験を生かしこの運動を新たな段階に引き上げたい。民族文化を普及させる拠点となる「民族文化センター」、各界各層の同胞の趣味と要求に沿った講座や教室を出そうというのはそのためだ。 民族文芸スポーツを楽しむ方法もより多様化すべきで、民族性をテーマにした文学、歌、踊りなどを、同胞大衆の志向に沿って創作していくことも斬新に進めていきたい。 総連の各級機関、学校に多彩な形の「ウリマル教室」「ウリマル講座」などを備えるとともに、各機関と学校、家庭で日常的にウリマルを使う風潮を立てるようアピールしていく。 民族性を育てる問題は、新しい世代自らが主人としての立場に立ってこそうまく解決する。この世代が企画から実行までを受け持ってこそ斬新なものになると思う。(金尚一文化局長) 同胞奉仕活動を格差なく、福祉事業本格化 (総連の8大綱領が改訂され4項では総連の新たな同胞社会構想が明らかにされたが)総連は結成以来、同胞の権益よう護と生活奉仕のための活動を繰り広げてきた。今回、運動の現状と実績を反映して綱領が改訂され、総連が自己の使命に沿って真に同胞たちに服務する決心と意志を表明した。 今後3年間、まずは「同胞生活相談綜合センター」を軸に同胞奉仕活動を格差なく制度的に繰り広げていく。第2に、同胞高齢者、障害者を主な対象に福祉事業を本格的に繰り広げる。第3に、朝・日国交正常化を視野に入れて権益よう護のたたかいを強力に組織する。 現在、13カ所で各種高齢者の奉仕施設が運営されているが、今後、総連機関の建物などを有効に利用して介護老人保健施設、老人ホーム、デイサービスセンター、訪問介護事業所などの数を3倍に増やす予定だ。同胞障害者に対する支援もその段階を高めるべき時だと考えている。(高徳羽副議長兼同胞生活局長) 商工人、企業家網羅した「同胞経済網」形成 苦しい立場にある同胞企業をより積極的に助け、同胞の生活を守り向上させるための活動を最も重要な基本使命と認識しており、組織的な支援体制をよりしっかりと打ち立てていきたい。そのために、愛族愛国の理念を共有するすべての同胞商工人、企業家を網羅した「同胞経済網」を形成し、強化するための事業を組織を挙げて体系的に進めていく。 同時に、同胞企業に加えられているあらゆる差別と規制、干渉などを是正させ、企業権をはじめとする諸般の民族的権利を守っていきたい。 総連と傘下の経済機関、経済専門家らで「同胞経済協議会」を作る予定だ。各経済機関と商工人らの横のつながりと交流を深め、急変する環境の変化に応じて▼同胞企業の経営戦略と経営資源の合理的流通と活用▼人材の組織的育成▼共同化と協力システムを打ち立てる問題、などを解決していく。(徐世教経済局長) 各層の同胞女性を幅広く結ぶネットワークを 女性局ができたのは、総連が女性同盟の活動に常任委員会的な関心を寄せ、これまでより何倍も大きな力を注ぎ積極的に推し進めていくことに目的がある。 何よりも、女性同盟がその特性に合わせて自立性と創意工夫を発揮できるようにしていきたい。総連と各団体、学校と事業体で働く女性活動家、とくに新しい世代の女性活動家の活動条件を保障し、彼女たちが総連の各分野で役割を果たせることが重要だ。 総連の各組織と教育、文化、スポーツ、経済、法律など各専門団体で活動する女性活動家たちが在日同胞女性運動で主人としての役割を果たせるようにしたい。 知識人、文化人、社会活動家、言論人など、同胞女性の活躍分野も多岐にわたる。そうした各層の同胞女性を幅広く結びつけることが、この時期にはとくに重要だ。広範な同胞女性のためのネットワークを形成したい。(姜秋蓮女性局長) 朝・日の過去清算、国交正常化で主導的役割を 過去2年間、総連を取り巻く環境は同胞と(朝鮮学校)生徒らが地域社会で安心して暮らせないほど悪かった。このような時期を振り返り、好転しつつある情勢を展望する際、対外事業の最重要任務は、この間、日本社会に流布された朝鮮と総連に対する誤った姿を正し、広範な日本国民との親善と絆を回復、拡大させ、同胞と生徒らが気苦労なく安全で幸せな生活を送れる環境を整えることだ。 何よりも朝・日間の過去清算と国交正常化を促進するうえで主導的役割を果たす。過去清算に基づく朝・日国交正常化は、世紀を継いで積もり積もった同胞たちの恨みを晴らし、生活環境を根本的に改善する決定的契機となるだろう。 総連代表が朝・日政府間会談に参加することになるが、会談では在日同胞の地位と処遇が根本的に改善されるよう最善を尽くす。 在日同胞が共和国の海外公民として、当然享有し行使すべき教育権と生活権、企業権をはじめとする諸権利を獲得しよう護するために、日本政府当局と地方自治体との活動もより積極的に展開していく。(徐忠彦国際局長) 「6.15」履行の線で各層同胞との民族的団合実現 4年前の6.15北南共同宣言発表によって、6.15共同宣言の核である「わが民族同士」「民族自主」はもう妨げられない流れになっている。 過去半世紀の間、歴史的課題として残されている祖国統一問題は遠い将来でなく、現実的課題として提起されている。 総連は半世紀の間、統一を成し遂げるためのたたかいを力強く繰り広げてきた。この伝統を継承し、情勢の要求に沿って祖国統一運動を展開していく決意だ。 「わが民族第一主義の旗のもとに民族共助で自主統一の活路を開いていこう」というスローガンを高く掲げ、朝鮮民族対米国の対決構図を実践で解決し、統一の決定的局面を開くための全民族的運動に積極的に合流していきたい。 同時に統一運動発展の要求に沿って、20全大会を通じてアピールしたように、民団と韓統連、各界各層人士との民族団合を達成するために全力を尽くす。 これからも6.15共同宣言履行、わが民族同士、民族自主と民族共助、民族性固守の原則に沿って各界各層のより多くの同胞との民族的団合を実現していく。(朴久好統一運動局長) [朝鮮新報 2004.8.10] |